大和但馬屋日記

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第2次国語改革案発表(嘘日記)

今日、新たな国語改革案が発表されたとのことで、ざっと目を通してみた。主なポイントは次の2つにある様だ。

  1. 文字数のさらなる削減
  2. 言葉の意味の転用を積極的に認める

それぞれについて、詳しくみてみよう。

文字数のさらなる削減

具体的には下記の三要素。

  • ひらがな・カタカナそれぞれに対して似た字形を統合
  • 九画以上の漢字の廃止
  • 漢数字の廃止

まず、一番影響の大きそうなかな文字の統合について。

心50on氷(しうかは)
心50on氷(カクカナ)

見ての通り、かなり大胆な統合が施された。また、わ行・ワ行はもう古いからとのことで削除された模様。発音「わ」の表記は「は」を用いる。ここだけ一見旧かなづかいに戻ったように見えるが、文字数削減には都合がよいということだろう。
今回の統合もその目的が「字数を減らすことで学習の際の負担を軽くすること」にあるので、従来の五十音の体系と一致しないことには一切気を遣っていない。実際、その必要もないだろう。ひらがなとカタカナとの間で1:1の対応がとれていないことも同様。文字数を減らすという目的には合致している。
これにより、たとえば「はてなダイアリー」は「はしはグイマソー」と表記されることになる。「は(は)」と「は(な)」(カッコ内が従来の字)との区別はどうつけるのかというと、文字単体では区別しようがないが、文脈で判断すればよいということだ。これはもう一つのポイントにも関係する。詳しくは後述。もう一つ例を上げると、米国のロックバンド「マリリン・マンソン」は「マソソソ・マソソソ」となる。2ch語などのネットスラングに近いせいか、あまり違和感はない。
九画以上の漢字の廃止については、そのまんまである。廃止された漢字を用いる語についてはかな書きに改めるか、同じ読みで八画以内の任意の漢字,もしくは似た発音の英単語に置き換えることが義務付けられる。それから、漢数字は古臭いので廃止。例示として「新五十音表」が「心50on氷」となっているところに注目したい。一文字も従来の字が使われてなくて、革新的だ。
なお、これらは人名にも漏れなく適用される。一郎、慎二といつた名前の人も1low、伸2などと改めなくてはならない。正直、カコイイ。

言葉の意味の転用を積極的に認める

これには少し事情があるようだ。近年「バカ」を肯定的な意味で使うことが多くなってきて(例:バカSF/バカゲー)、人に向かって「バカ!」と言った時に褒めているのかバカにしてるのかがわからないことが多い。大抵の場合文脈を読めばわかるらしいのだが、もうこの際「馬鹿」「阿呆」に類するあらゆる侮蔑語はすべて肯定的な意味に使える様にしよう、というのがその骨子。こうすれば「言葉狩り」にビクビクすることなく好きな言葉を使えるし、言われた方も肯定的に受け取れば幸せだ。本当に侮蔑の意味で書きたいときに困るかもしれないが、言葉の意味が変われば侮蔑という概念も消えるに違いない。そもそも人をバカにするなんてよくないしね。そういえば、「侮蔑」にも「うやまう」という意味が付け加えられるとのことだ。

雑感

これらの改革からは「言葉は生き物なので日々変わっていくものだ」ということを積極的に肯定する意志を強く感じる。
最近は、歴史上の出来事も現在の価値観で判断するのが主流らしい。過去の文献も現代の視点から改めて読み直せば、誰かが誰かを罵倒していても実はそれは絶賛だったのだと受け取ることが可能となる。「最近、馬鹿が多くて疲れませんか」と言って問題になったテレビCMも、今なら流せるだろう。
頑迷な保守的国語論者などからは「これ以上文字を減らされたら過去の文献が読めなくなる」という批判も出るだろうが、心配ない。というか、そんな心配をする必要はない。古いということはそれだけで悪いことなのだから。言葉はもっと自由であるべきだ。もう旧世紀の言葉に縛られるのはやめようではないか。「はてな」を「はしは」と書く様になれば、それを「hatena」と読めず「hasiha」と読むことになるかもしれないが,別にそれでも構わない。遠からず「て」や「な」は日本語の発音から消滅するだけのことだ。大丈夫、「仮面ライダークウガ」を一年観ていれば字幕の出ないグロンギ語だって理解できるんだから。
つーか、見こ目やハシ音や以味はんしどうじしはへし、ハートが伝はぬばいいんじすはハートが。空気コナっし。(従来表記:つーか、見た目や発音や意味なんてどうでもよくて、ハートが伝わればいいんですよハートが。空気嫁って。)
改革マソヤー!