大和但馬屋日記

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ハルのウララのミナルディ

ハルウララという競争馬のことについてはネットのあちこちで見かける程度のことしか知らないけれど、そのブームを支へる意見の中に「負け続けても走り続ける姿に感動」云々とあるのを見ると「何やそれ」と思はざるを得ない。マキバオーぢやあるまいし、馬自身が勝ち負けを意識して不屈の闘志で走つてゐるわけではあるまい。
人間が出走させるから馬は否応なく走るのであつて、そこに変な物語を被せて喜んでもなあ、と。素晴しい馬といふのがどんな馬かオレには分らないけれど、やはりそれはトラック上で素晴しい走りをする馬なんぢやないのか。
その点で、ハルウララを応援(といふよりむしろヲチ)するのと野球やサッカーやF1の弱小チームを応援するのとは質が違ひすぎるだらう。後者には、新しいシーズンを迎へるたびに「今年こそはもしや」と期待する余地がまだある。
で、無理矢理話をつなげてミナルディの話。「今年はもしや」といふ期待は早速打ち砕かれたといふか、さすがに誰も期待してなかつたとは思ふが、それでも一昨年の開幕戦や昨年のフランスGP予選の様なことがあるからつい期待してしまふ。とはいへ一昨年はウェバー、昨年はフェルスタッペンといふ役者がゐたからまだ良いが、今年はどうか。バウムガルトナーは論外として、ブルーニがどこまでやれるかだな。
ミナルディといふチームを見限れないのは、オーナーがポール・ストッダートに代つてもなほ、創設者のジャンカルロ・ミナルディが一スタッフとしてチームに残つてゐる点にある。組織的にどうであれ、とにかくF1といふステージに立ち続けるその意気。簡単なことぢやないぞ、あのやり手のトム・ウォーキンショウやネームバリューは超一流のアラン・プロストだつてF1チームを維持できなかつたのだから。
創設以来万年ビリの様なチームにも輝く時はある。89年のエストリルでは予選五位、ヘレスで四位、そしてアデレードでは三位。今とは状況が全く違ふにしても、当時だつて特別恵まれてゐたわけぢやない。
今年はさうだな、ジョーダンはともかくとしてトヨタよりいいリザルトを残したりなんかしてくれたら楽しさうだ。それから願はくば、中堅チームと同じペースで走れるくらゐの速さは持つてゐてほしい。