大和但馬屋日記

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ドロケイ

えーと、私が今知りたがつてゐるのは腕輪の様な形をした玩具についてなのですが、それはさておき遊びの方。
私の生まれ育つた大阪は北河内地方では「タンテイ」と呼ばれてまして、「探偵」と「盗人」のチームに分けるのが特徴。何が特徴なのかと言ふと、チーム分けを行ふ際、とてつもなく面倒な手続を踏む必要があるのです。その手続とは‥‥

  1. メンバー全員で輪を作る。
  2. 任意の誰かを起点に、時計周りに「い」「ろ」「は」「に」「ほ」「へ」「と」と唱へながら一人づつ指差す。
  3. い、ろ、は、に、ほ、へ、と、ち、り、ぬすつとの所で当つた者が、盗人チームに入る。
  4. その次の者から続けて、 る、を、わ、か、よ、たんていで指差された者が探偵チームに入る。
  5. 引き続き「い」から始めて、最後の一人になるまで盗人と探偵に分ける。

といふわけで、人数分の半分の回数いろは歌の途中まで唱へることになるわけで、十人もゐればそれだけで結構な手間なわけで、そんなまだるこしいことをせずに「グッパー」ででもチームを二分すればよささうなものでしたが、この儀式も含めて「探偵」遊びだつたのでさういふ発想にはならなかつた模様。まあこれはこれで、「公平に人数を半分に割りながら、同時に役割も決めてしまふ」といふわけで合理的とも言へるのでせう。
因みに、他の遊びでは普通にジャンケンやグッパーでチーム分けをしてました。
このおかげで、オレ周辺の子供達は皆いろは歌を「た」までは知つてゐましたが、そこから後を知らないのもまたお約束。てか「るをわかよ」て何だ。
それから、探偵が盗人を逮捕する時は、つか探偵に逮捕権なぞない筈ですがそれはそれとして、十秒触るのでなく「三回背中にデンをつく」のがうちらのルールでしたね。デンといふのは言はゆる「タッチ」のことです。鬼ごつこの場合はどこにデンしても良いのですが、探偵の場合は正しく背中に3コンボ入れないと不成立。身を捻つて逃亡するのもアリですが、まあ捕まるのも遊びのうちですからそこまですることもなかつた様な。
脱獄させる場合は捕まつてゐる盗人の手にタッチ、で良かつたかな。
地方によりディテールは違へども、逮捕の条件が鬼ごつこより少し厳しい等、ゲーム性の核になる部分に共通点が見られるあたりが面白いですな。