大和但馬屋日記

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引算の巧さ

スプラトゥーン2」のサーモンランを遊んでゐると、操作に對するチューニングがつくづく見事だと思ふ。
イクラをカゴに納品する際はカゴに接近してAボタンを押さなくてはならないが、押してもイクラは「ポン」と音を立てて一瞬でカゴに收まつてしまふだけである。一往イカが簡單に腕を振るモーションはあるものの、一瞬の動きだし他の行動にすぐ掻き消されてしまふので殆ど目に留まらない。
何も考へずにゲームを作ると、ここでしつかりイクラを投げるモーションと、投げたイクラが放物線を描いてカゴに收まるアニメーションを作つてしまひさうだ。きつとデータとしてはそれも作ってあるに違ひない。しかしそこはバッサリ切つて、まるでファミコンのゲームの樣に不連續の動作で納品の表現を濟ませてしまつてゐる。「效果音が鳴つてゐるからそれで判るだろ」と。
かと言つて、カゴに近づいただけで自動的に納品とはしない。Aボタンを押すといふ行動はモーションが無くてもゲームには必要といふ判斷だ。實際そのことで生れるドラマがある。
今更任天堂に對して言ふことでもないが、ゲームを解つてるなあと深く感心した次第。