大和但馬屋日記

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yms-zun2016-03-05

出張で直ぐに帰らず泊まつて何をしたかつたのかといふと、「ガールズ&パンツァー劇場版」を立川シネマシティで観てきたのである。極上爆音上映といふ触込みでガルパン映画界隈の聖地になつてゐるところだ。最前列の席の予約が取れたので喜々として行つた。九回目の観賞。
目の前にバカでかいウーファーがあつて、発砲や着弾の度に身体が震へるのは凄い。それでゐて耳を覆ふ程うるさい訣でもない。なるほどこれが極上爆音か。もつと下品な感じかと思つたらさうではなくてあくまで極上。ただ、これは4DXを体験する前に味はつておくべきだつたな、とも思った。椅子の揺れ等はともかく、座面の振動が齎す「エンジンで動く履帯付きの乗物」感が足りなくて、4DXのその点に何より心奪はれた身としては少々食ひ足りないと思つてしまつたのだ。なんて贅沢で罰当りなことだらう。
4DXの座面の振動が効果的だつた例としては冒頭、IV号戦車の上であんこうチームの五人が軽い会話を交すシーンがある。遠くで聖グロリアーナ勢を囲んだ友軍が散発的な発砲を行つてゐる中で会話をしてゐるのだが、4DXだとその発砲音が振動として会話とは別の経路から伝はつてくるのだ。この臨場感はちよつと他では経験したことがない程で、開幕一分で「よつしや、元取つた」と思へるものだつた。極上爆音にもさういふ効果が加はれば最高の「ガルパン」環境が出来上るのになあ、などと欲望は高まるばかりである。
さて、立川といへば目の前にモノレールがある訣で、あるからには乗らねばなるまい。乗つた。とりあへず北方向、上北台まで。途中、立飛といふ駅があつて海底駅みたいな変つた名前だなと思つたら立川飛行機の略なのか。たま自動車、プリンス自動車、富士精密。ロケット史に思ひを馳せる。
上北台で折返して南の端まで乗潰さうかとも思つたが、地図で見ると多摩湖が近いので歩いてみることにした。途中、ガストで食事。多摩湖の上下二つある池を分けるダムの堤体を渡るとそこは西武球場で、さてここからどうやつて帰らうかと調べてみた。普通なら西武池袋線を使ふのだらうが、この右に延びるレオライナーといふのは何だ。分らないものには乗つてみなくてはなるまい。

新交通システムつぽい路線だが新交通システム規格ではない、ただの案内軌条式鉄道といふことらしい。どちらかといふと遊園地内にあるライドの様な趣きである。単線で途中に行違ひのできる信号場があり、山合ひを縫ふ様に走る路線はそこらの新交通より余程面白かつた。いいものに乗つた。
日が暮れる前に帰宅した。