大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

75.1kg

七時頃に目を覚したが眠気が取れず、平日なら一風呂浴びて無理矢理目を覚すところをべッドに転がつたままうだうだする。枕元のタブレットは昨晩日記を書き終へたところで寝落ちして点きつぱなしだつた。手書きの汚い字をテキストデータに変換しながら推敲してアップ。さうするうちに目も覚めたので身支度を整へて宿を出た。ドトールで朝食をいただいて総武線に乗る。東に向つて西船橋武蔵野線、南船橋京葉線に乗換へ、十時前には海浜募張に着いた。
募張メッセでは東洋大学の入学試験が行はれてゐて、駅からの案内もそれについての誘導員ばかりである。連られて受験したところで歯牙にも掛らないだらうから、こちらは大人しくワンフェス会場の方に向ふ。かういふ祭り事の隣で入試を行ふといふのも、受験生には目の毒だらう。大学入試がどういふものだつたかは四半世紀前に経験したきりなのでよく覚えてもゐないが、こんな会場では気も漫ろになりさうなものだ。
会場に入り、企業ブースの手伝ひをしてゐるF1友達に声を掛けたら忙しい盛りの時間だったので、邪魔しない様挨拶だけに留めておいた。PLUMの「諏訪姫」フィギュアを適当に見繕つて買つてから一般ディーラー方面ヘ。いつも通り、特に事前チェックなどはしてゐない。来る前から分つてゐたことであるが、とにかく砲塔を背負つた女の子が多い。その煽りをまともに喰つて、「東方プロジェクト」関連をすつかり見なくなつた。無くなつたとまでは言はないが、印象としては「消えた」と言つて過言ではない。まだ半々くらゐで残つてゐても不思議ではない筈なのに、猛烈な淘汰圧がワンフェスシーンを襲つてゐる様に見える。尤も、見方を変へれば今「艦これ」を造形してゐる様な旬に聡い人達が以前は「東方」をやつてゐて、その前には「ハルヒ」なんかをやつてゐただけの話で、ワンフェスの醍醐味はそれ以外をやつてゐる人を見ることにあるのだ。
ガルパン」は「それ以外」の側にシフトして根強く残つていきさうだ。数としては多くなかつたが「プリパラ」関連をあちこちで見かけた。「プリティーリズム」時代は殆んど見かけなかつたので不思議な感じがする。などと思つてゐたら天宮りずむが居たりするからワンフェスは油断ならないのだ。同じく気になる存在としては「ハナヤマタ」をいくつか目にした。セーラー服の上に振袖を羽織るといふのは、成程造形的にはそそられるものがある。最終的には振袖の塗装勝負となりさうでキットを作るのは大変だらうが、原形師として挑戦したくなる気持はよく解つた。「アイマス」は765プロが相変らず根強く、アニメ放映中の「デレマス」はあまり見掛けない。とはいへ本家もアニメ以降に富に増えたのだから、これも次回か次々回あたりが本番となるのだらう。
それから、「弱虫ペダル」関連は皆無だつた様に思へた。見落しがあるかもしれないし、巡回を飛ばした島もあるから断言はできないが、傾向として少ないといふより、版権が下りてゐないレベルなのではないかといふ気もするがどうか。
怪獣方面、やけにあちこちで「シェー」をしてゐるゴジラを見た。示し合せでもしてゐるのだらうか。それともトレンドがあるのか。「ウルトラマングレート」や「パワード」関連も別々のディーラーで目にした。何年か越しにウルトラ怪獣のトレンドも年代が下つてきて、「80」を通り過ぎたら海外物まできつちりカバーする様になつたか。もう二、三年後には平成シリーズや「ゼアス」が視野に入つてくるのだらう。よく考へたら「ティガ」でさへもう二十年近く前の作品になるのだ。
一通り回つて疲れたので企業ブースに戻り、友人と談笑しつつグッドスマイルレーシングの今年のカラーリングを見る。今年からBMWをやめてミクベンツになるのだつた。

たまにはおねいさんを撮つてみる。
十四時過ぎに会場を出る。雨が降つてゐる。京葉線の電車が動き出してから、朝に予め帰りの切符を買つておいたのを忘れてスイカで入場してしまつたことを思ひ出した。勿体無いが仕方ない。東京駅に着いたがまだ随分時間が余つてゐる。地下出口から有楽町駅に抜けるコースを辿つてみたら国際フォーラムの中に迷ひ込みさうになつた。有楽町の山手線ホームにはホームドアが設置されてゐる。
昼食がまだなので神田駅前の風龍でラーメン。ラーメン喰ひすぎだな。わざわざ電車で来る店でもないが、かういふジャンクな店が有難い。それでもまだ時間が中途半端に余つてゐるのでガード下の喫茶店に入る。

仕事絡みで何度か入つたことのあるいい雰囲気の店だ。沢山選べる豆からジャマイカを選んでレアチーズケーキも頼んだ。ラーメンはやめておくべきだつたな。厨房前のカウンターだつたのでコーヒーを淹れる様子を観察した。缶から取出した豆をグラインダーで挽いてからネルで時間をかけて淹れてくれる。丁寧な仕事だ。丁寧すぎて中々出てこなくて、逆に残り時間が心配になつてきたが、よく見ると店内の時計は実際より十分以上も進んでゐた。何の意味があるのだらう。
やつと出てきたコーヒーをいただいた。これは俺では出せない味はひだ。実に美味い。一方で、俺の淹れるコーヒーも満更ではないとも思つた。チーズケーキも美味いが、少々淡白だと思つた。コーヒーの味を邪魔しないといふ意味では良いのだらう。チーズケーキ単品の味はひでは入谷のハーディに敵ふ店はないので、東京に住むなら是非行くべきだ。次に上京する時は何とかして行かうと思ふ。
丁度いい時間になつたので東京へ向ふ。神田駅は俺が住んでゐる間は常に工事をしてゐたのに、俺が離れたら綺麗に落着いてゐる。少し面白くない。神田駅のホームには山手線のホームドアがないが、いづれ設置されるのならまた工事になるのだらう。脇を走る東北新幹線では北陸新幹線「つるぎ」用の車輛が一足先に「あさま」用として運用されてゐた。さういへば金沢開通後の「あさま」の扱ひはどうなるのだらう。その辺りの情報を全然追つてゐない。
東京で「のぞみ」に乗る。取つておいた指定席に坐つてゐたら、どうも様子がをかしい。尻に冷たさを感じた時には既に遅く、座席に手を当ててみたらぐつしよりと濡れてゐる。最悪の事態を覚悟しつつ手の臭ひを嗅いでみたら幸ひアンモニア臭はなくて、代りに桃の臭ひがした。上りの客がジュースか何かを盛大に澪したに違ひない。しかしジュースであれ小水であれ、このまま坐つてはおけないので品川に着く前の慌だしい時間ではあつたが乗務員室に赴いて車掌に苦情を伝へた。すぐに倉庫から換への座席を取出して交換してくれた。それにしても不心得な客もあつたものだ。自分が粗相をしたならば、すぐに自分で車掌に申告する。以前、帰省中に隣の席の親子連れの子供が粗相をして、その親は酒を呑んで寝こけてゐたから前後の席まで阿鼻叫喚といふことがあつた。下車駅手前で目を覚した親に「前後の客に謝れ」と注意して、東京駅に着く手前で乗務員室に行つて「何号車の何番席が濡れてゐるから車内清掃の際に申し送りしてほしい」と伝へたことがあつたのを思ひ出した。自分の尻も拭へない人の御陰で俺の尻が濡れてしまつたのは納得がいかないが仕方ない。

昨日見た「PIXELS」化された丸子橋。この日記を書きながらしばらく走ると見事な赤富士が見えた。もう少し晴れてゐれば北斎が見たのと同じ景色になつただらうが、これはこれで良い。

まだローラーに乗れるくらゐの時間に帰宅した。そのままゴロンと横になつてしまひたい気分だつたが、昨日から全く汗をかいてゐないので自転車に乗ることにした。継続は力なり。一汗かいて体重計に乗つたら一キロ増えてゐた。旅行の後はそんなものだらう。