大和但馬屋日記

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日記書きツールとしてのJournalはまあ良いとして、問題は普段の入カツールとしての「タッチキーボード」だ。
Windows7まで存在した、「タブレットPC入力パネル」といふデスクトップ機でも使へないことはなかつたものの代りとして、タッチ入力用のソフトウェアキーボードの機能の一部に手書き文字入カパネルが統合された。
「タッチキーボード」の良い点。文字認識能力が以前と比べて格段に良くなつた。平仮名、片仮名、漢字、英数字の似た様な字形も前後の繋がりから適切に変換してくれる。タブレットPCの登場以降、XP、Vista、7、8ときて着実に進歩してゐることを実感できる。
悪い点。その他全部(前にもこんなフレーズを使つたな)。
今回の改悪点の原因は明らかで、それは名前にも表れてゐる。さう、「タッチ」キーボード。指で触ることが前提の作りになつてゐるのだ。
7以前の「タブレットPC入力パネル」では、文字入力の可能性のある箇所をアクティブにすると、カーソルの近傍に入力パネルを開くためのシンボルが現れて、そこにペンをかざすだけで入力パネルがその場に開いて文字を書き始めることができた。そして、パネル内では画面の広さの許す限りどんな長い文章でも書き続けられて、自分の好きなタイミングで「挿入」ボタンにペンをかざすことでパネル上の文字列を入カすべき箇所に確定すれば良かつた。入カした先には次のシンボルが現れてゐるから、書き手としては淀みなく文書を書き続けることができた。
今回のタッチキーボードでは、これができない。入力フォーム上でもテキストエディタでも、入力を開始するにはタッチキーボードを自分で呼び出す必要がある。タスクバーにあるアイコンを「タッチ」。
入力パネルに文字を書く。一文字単位の枡目が無駄に大きい。指で書くのが前提だからだ。「タブレットPC入カパネル」なら、パネルのサイズを変更することで枡目の大きさを自由に設定できた。これに対しタッチキーボードはサイズ固定で、枡目の大きさも変へられない。縦画面モードの時入力できるのは、僅か三文字分だ。
コントロールパネルの「言語」オプションで枡目でなく自由に文字を書くモードに設定できる*1。こちらでは書いた文字の大きさに合せてパネル内の字詰めが動的に変化するから枡目に書くよりは幾分マシだ。しかし、それも一行分まで。タブレットPC入カパネルなら、画面を埋尽すまではどんどん勝手に改行してパネル自体が大きくなつたものだが、こちらのパネルのサイズは頑として変らない。
中途半端なところで確定を強要されるのは気分が悪いが、渋々「挿入」ボタンにペンをかざしても、当然何も起らないのだ。ボタンを「タッチ」しないと文字は挿入されない。タッチ、タッチ、ここにタッチ!!
これはやはり、名が示す通り「タッチキーボード」であつて「タブレットPC入カパネル」ではないのだ。よく聞き給へ諸君、Windows8によつてタブレットPCは死んだのだ。これに関しては、俺にとつては大きな退歩だなあ。枡目を大きくとるならとるで、スマホの手書きパネルの様に左右分割されたエリアに交互に書くことでノンストップに入力を続けられる方法などもあるだらうに(特許に阻まれてゐたりするのかもしれないが)。
そんなこともあつて、今の俺は今までになくJournalを活用してゐるといふか、Journalでなければならなくなつてゐる次第である。

*1:これが入力パネルのオプションにないのが流石のWindowsクオリティだ