大和但馬屋日記

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日本GP決勝

晴れ。日中の日射しは強いものの、空気はそれほど暑くはなく、午後三時のスタートとあつては路面温度の低下が気になるところ。小林には、折角残したオプションタイヤでハードなスプリントを期待したかつたところだが。
事前の予想では三回から四回ストップも有り得るといふ新開記事を読んだ。それが本当なら十周毎にピットストップすることになる。それを目安にしてみよう。
二コーナーと三コーナー(S字入口)の間の短い直線区間辺りで観戦。フォーメーションラップでタイヤを確認。小林はソフト(オプション)を選んだか。ならば周囲とガチのスプリント勝負だな、よしよし。
スタート。小林が出遅れた。鈴鹿のスタートは特に難しいといふが、まさか。五台抜かれた。
ベッテルは首位キープだがバトンに幅寄せをして審議対象に。しかしノーペナルティ。まああれくらゐならね。
後方からニコが追ひ上げる。速い速い。
オプションタイヤ勢はベッテルの九周目を皮切りに、十周前後で一回目のピットストップを行つた。たぶんほぼ全員がソフトからソフトに繋いだと思ふ。予想通りだし、これがセオリーか。
二十周目辺りで二回目のタイヤ交換、ここでベッテルが先に入り、後から入つたバトンにアンダーカットされてしまふ。一回目も二回目も先に動いたのがベッテルであり、この時点でもうこの結果は約束されてゐたのだと思ふ。
ハミルトンとマッサが接触、ハミルトンのバージボードの破片が飛ぶ。これがシケイン入口のアウト側に転がつたまましばらくレースが続いたが、破片は回収されず、止むを得ず二十四周目にセーフティカーが導入された。
ここで数台のマシンがピットインした。その中に小林が居て、プライムタイヤの白いマーキングを見た時に、まあ、察したね、「これで最後まで行くつもりか」と。でもさあ、プライムでスタートした人たち、みんな二十周も走れてないわけよ。かくなる上はセーフティカーが一周でも長引いてくれることを祈るしかなかつた訣だけど、パーツ一個拾ふだけだもんね、そんなに長引く筈がないよね。むしろ隊列が揃ふまでの時間の方が長く掛つたくらゐで、隊列が揃つたらすぐにリスタート。レースは残り半分。小林のレースはここで終つた。たぶん、セーフティカーが出た瞬間に作戦を変へたのだらうけど、駄目を選んだよね。「普通」の作戦を採つたペレスの結果と比べちやふと、どうしてもね。終盤の辛さうな走りは、見てゐられなかつた。ラップタイムがあまりに酷すぎてもう。
上位。トップに立つてからのバトンは、ただ「強い」の一言。ベッテルとの差がどんどん開いて行く。ベッテルも頑張つてゐるけれど、間に入つたアロンソの壁があまりに厚すぎた。といふか、アロンソも速かつた。フェラーリがあそこまで走るとは。今までかういふ風になつても、ベッテルにあつさり抜かれてたもんね。よほどタイヤが厳しいのかな。
終盤、アロンソがバトンに迫る。これはひよつとして? と思つたら最後にドカンとバトンがファステストを出して優勝。いやはや、感服いたしました。バトンはフィニッシュラインを越えてすぐにマシンを停めた。ガス欠? そこまで攻めてたのか。といふか、セーフティカー出てたよね? あれが無かつたらどうするつもりだつたんだらう。考へると怖ろしいな。
優勝は逃したものの、ベッテルがチャンピオンを決定、二コーナー外側で歓喜のドーナツターンを披露してくれた。今日も全く手を抜いた走りは見せなかつた、金曜に壊したウイングの代りのパーツを緊急空輸までしてもらつた、なのに負けた。フリー走行で一度もトップに立てなかつた結果がそのままレースの順位となつてしまつた。マクラーレンが強くなつたのは確かだけども、もしかしたら路面温度の低いコンディションではレッドブルはよろしくないのかもしれんね。となると、次の韓国も似た様な展開になるのかもしれない。
小林は残念だつたけど、終始見応えのあるいいレースだつた。