大和但馬屋日記

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モナコGP決勝

昨日予選で大クラッシュを演じたペレスは検査の為欠場。また、ハミルトンはシケインショートカットによりQ3のタイムを抹消され、九番手からのスタートとなる。フォーメーションラップではバトンがステアリングの不調を訴へる。スタートして一周目、ハミルトンが「シューマッハーに当つてパンクしたかも」と無線。マクラーレンに試練の山。パンクは杞憂であつた様だ。
十周目、マイケル渋滞になりかかってきたところ、ハミルトンが一コーナーで見事にマイケルを抜き去つた。ホイール同士は軽く触れたものの、両者共にハミ出しも壁に当りもしない、正に紙一重と言ふほかはない見事なオーバーテイクだつた。背筋が震へたよ。
ニコも渋滞を作つてゐる。メルセデスはここでは駄目だな。マッサがタバコ屋でニコをパス。ここで仕掛ける度胸はいいね。
一回目のピットインを終へて、バトンがトップに立つた。お? ベッテルと八秒も差がついてる。これはこれは? てか、バトンのペースがすばらしいな。一方ハミルトンは前に出あぐねてピットに退避。明暗が分れてゐる。
三十周目辺り、四番手バリチェッロから小林、スーティルハイドフェルト、そして八番手ブエミまでは一回ストップである様だ。そこから後ろは一回ストップした後の二回ストップが確実なので、この一回ストップ勢の上位入賞の可能性が高まつてきた。その後ろのウェバー、マッサ、ハミルトンは涙目だ。かうも渋滞してゐては他のピット作業中に飛ばすこともできやしない。
そのウェバー、マッサ、ハミルトンが三十四周目にローズヘアピンで揉み合つて、その後トンネル内でクラッシュしたマッサがストップ。今季初めてのセーフティカー。この間にマイケルも最終コーナー手前でマシンが止つてリタイア。
これでレースは仕切直し。一回ストップ勢も全員ピットに飛込んだ。小林は五番手で隊列に戻つたが、真後ろにウェバーとハミルトンが居る。接近戦の相手としては嫌な面子だが、彼らはもう一回ピットに入るだらう。
三十九周目に再ス夕ート。ベッテルが首位に戻つて、バトンと争ふことになる。ペースは明らかにバトンの方が速い。四十四周目、ハミルトンにドライブスルーペナルティ。ローズでマッサと当つた件か。
四十八周目にバトンが三回目のピットイン、三番手に復帰してすぐにファステストを連発、アロンソに迫る。ベッテルアロンソはタイヤ交換義務は果してゐるが、あと一回ピットインするかどうかは分らない。モナコだから、タイヤが辛くても順位を守りさへすればよいといふ戦略は成立つ。残り二十四周。ベッテルはセーフティカーでタイヤを養生できたから作戦を変へたのかもしれないね。
五十六周目、ウェバーがピットイン。小林は少し楽になつた。
アロンソベッテルに追付いた。タイヤのライフ的にはベッテルが苦しいか。バトンもそのうち加はるだらう。六十三周目、バトンも追付いて三台による優勝争ひが始まつた。その遥か後方、あるいはマップ上での前方ではスーティルと小林の四位争ひも白熱してゐる模様。
小林がミラボースーティルに仕掛けた。少し引掛つたか、スーティルが体勢を乱してアウトに膨らみ、そこを突いて小林が前に出た! 凄い! ミラボーで前に出た日本人なんて歴史に残るぞ。しかし後ろからウェバーが猛烈にチャージしてくる。
小林に抜かれたスーティルはパンクしたか、ペースがみるみる落ちて大渋滞が発生。その状態でスーティルの右リアタイヤがつひにバースト、プールサイドで大混乱。漫画みたいだ。当然二度目のセーフティカーが出る。残り九周。この集団にはトップ三台も混つてゐたが、彼等は運よく難を逃れた。タイヤが厳しいベッテルには大きな幸運。
そして七十二周目、六周を残して赤旗中断、これをもつてレースは成立となつた。
‥‥え? コースがクリアになつたらレース再開? そんなルールだつけ? 川井氏が調べたところによると、全周回の七十五パーセントを消化してレースが中止となつた場合は全ポイントを付与する(未満の場合は半分)と規定されてゐるだけで、七十五パーセントを消化して赤旗が出たらレースを終了するといふ訣ではないとのこと。成程。
セーフティカー先導による再々スタート。残り五周。一コーナーでマルドナードとハミルトンが接触マルドナードはクラッシュしてリタイアとなつた。六番手だつたのに残念。泣いていい。ちよつとルイスは無理しすぎ。当然審議対象となつた。七十七周目、小林にウェバーがシケインで差し込んで、小林はたまらずショートカット。これは譲らざるを得ない。
最後のショートスプリントをベッテルが余裕で逃げてモナコ初優勝。アロンソ、バトン、ウェバーと続いて小林が五位。ハミルトンはこれは六位だが暫定か。スーティルは自分が原因の赤旗に救はれる形で七位入賞。しかし、ますます小林を目の敵にするのだらう。
いや、色々あつたがいいレースだつた。ペレスが居たらどこに入つてゐただらう。