大和但馬屋日記

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yms-zun2011-01-04


島の港の待合室にこんな絵地図が掛つてゐた。本浦地区の集落の全域がカバーされてゐる。よく見ると大変細かい。

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父方の実家が描かれてゐる。まことに正確に特徴を捉へてゐる。ただの航空写真の引写しではなく、人の目の高さで見なくては分らないディテールに満溢れてゐる。すばらしい。何ぢやろかこれは。
聞けば、フランス人の若い作家が数年前にふらりとやつてきて、一箇月も滞在して綿密な取材をして帰つたのださうだ。そして、この度それが一冊の本になり、この地図はその本の折込付録の写しなのだと。
その本も見せてもらつた。色鉛筆の素朴なタッチで島のあちこちをスケッチした紀行画集。大変に分厚く、情報量が半端ではない。風景ばかりでなく、作者の目に止まつた文物や人物が鮮やかに描き出されてゐる。その視点が、何とも良い。日本の作家で言ふとヒサクニヒコの様な感じだな。
この本、欲しい!
残念ながら日本での発売予定は今のところないさうだ。地元の人がまとめ買ひして配布したいと言つたら、作者は「必要な分だけ送るよ」と答へてゐるらしいが、これはお金を払ひたいではないか。
ふと思ひ出して、フランスのアマゾンで検索してみた。あつた。

同じ作家による「東京散歩」といふ本もある。

Amazonのサイトで書影をクリックすると、内容の一部も見られる。どうですかこれ。原書も欲しいけど、日本語版で読んでみたいなあ。