大和但馬屋日記

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わりとよく見かける「マイクロソフトポイント(MSP、通称『ゲイツ』)はドルベースなのに円高の今も1MSP≒1.48円のままなのはをかしい、ボッタクリだ」といふ意見。2chの「アフターバーナークライマックス」関連スレにもさういふ意見があつたので反論を書いたのけど、それは誤解だ。
マイクロソフトポイント - Wikipediaに「各国通貨においての各種ポイントの通貨別価格」なんてリストが記載されてゐるからかういふ誤解を生み易いのだらうが、そもそもMSPはドルの代りではなく、あくまでマイクロソフトが提供する商品であるにすぎない。アメリカ人は1.25ドルで100MSPを購入し、日本人は148円で100MSPを購入する。それだけだ。ドルと円の価値は為替相場によつて日々刻々と変化するが、そのことによつて「アメリカ人にとつてのMSPの価値」も「日本人にとつてのMSPの価値」も変化はしないのだ。
アメリカ人の買つたMSPは日本のマーケットプレイスでは使へないし、逆もまた然り。もちろん日本人がアメリカのアカウントを(規約では認められてゐないが)取得して、アメリカのマーケットプレイスアメリカのMSPを利用することは可能だ。その場合にのみ「アメリカのMSPを日本円で買ふと幾らになるか」といふ計算が意味を持つ。それは、アメリカで売つてゐる商品を日本円で買ふことになるからだ。翻つて、日本人が普通に日本のマーケットプレイスで利用できるMSPを購入するといふのは、日本人が日本円で日本の商品を購入することに他ならない。そこに「一ドル何円」といふ価値観が入りこむ隙はない。
アメリカで売つているアメリカ人向けの商品の値段」が日本円に換算すると幾らか、などといふことをいちいち気にしてゐても仕方がない。日本人にとつての150円とアメリカ人にとつての1.25ドルが、各々の国の金銭感覚として大きく乖離してゐるとも思はない。そこに露骨な隔差が生じてゐるとしたら、その時は物価について国家レベルの経済問題になつてゐるだらう。今がさうでないとは言はないが、今とは比較にならないレベルで。そんな大きい話をしても意味がないのだ。