大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

過去十年間のゲーム十選

ええと、ゼロ年代とか言ふんですつてね。さう呼ばれる時期が終つて初めてその呼び名を知つた訣ですが。まあ、そんなこととは与り知らず、「今年のゲーム十選」に相当する行事を始めてから十年目と相成つたので、丁度良いからその中からさらに十選を捻り出してみる。
条件はいつもの十選と大きく変らない。業界的にとか、時代的にエポックな作品であるとかどうとかは全く意識せず、あくまで自分にとつてどれだけ大切なタイトルであるかで選んだ。
それと、「十年間の各年から一作づつベストを選んだ」といふ訣ではない。あくまで、過去十年間に採り上げた百タイトルを同列に並べて、その中から十作品を改めて選び直した。さんざん迷つて、断腸の思ひで落としたものが十タイトルほどもある。ジャンルごとに分けて枠を増やそうかなどと小賢しいことも考へたが、ともかくも十本に絞ることで自分にとつてどう大切なのかを見直すのも良からう。
さう考へて選んだ十本がこれだ。

罪と罰 地球の継承者(N64,Nintendo/TREASURE)

いつ遊んでも面白い。これに関しては「面白い」といふ言葉しか出てこないな。
Nintendo64の、今となつては乏しい表現力を駆使して力技の演出を見せてくれるところも好みだが、あくまでそれもゲームの面白さを支へるためのもの。
これが遊べて良かつた。
これがあつたから続編のためにWiiを買つた。なのにまだ開封もしてゐないのだ。

Mr.ドリラー(AC/DC/PS/GBC,NAMCO)

十年前に登場して、あつといふ間にシリーズを重ねて陳腐化し、XBLA版で止めを差されてしまつた感じのするタイトル。この十選の期間中に賞味期限が終つてしまつた感がある。
それでも、たまに引張り出して遊ぶ一作目はやはり文句なく面白いのだ。一作目で遊べるハードがもうほとんど残つてゐないのが残念だが。PS版を買つておけば良かつたかな。DC版もGBC版も今第一線のハードでは遊べないのだ。
次の十年間にこのタイトルが話題に上ることはおそらくないだらうが、過去十年間の中では忘れ難い。

ゼルダの伝説風のタクト(NGC,Nintendo)

自分にとつては、「ゼルダ」シリーズの中ではベストとなる作品。
トゥーン調の画面表現と、それによつて描き出される画面内の世界のすべてが愛ほしい。箱庭系のゲームは後からいろいろ出たけれど、これに勝る世界には未だ出会へてゐない。
といふか、これに類するボリュームのゲームを遊び通すだけのモチベーションが失はれたことを、後の「トワイライトプリンセス」で痛感した。「トワイライトプリンセス」の続きを遊ぶくらゐなら「風のタクト」をもう一回遊びたい。それは間違ひない。

THE地球防衛軍(PS2,D3/SANDLOT)

シリーズの中でも特に初代。これほど遊び甲斐のあるタイトルにもさうさう出逢へるものではなからう。
シリーズを追ふごとに旧作でテクニックと見做してゐた要素が潰されて、「時間をパラメータに変換する作業」の方が重要になつてしまつたのが惜しまれる。わざわざさうするといふことは、ゲームを作る人たちもさういふのが面白いと思つてゐるといふことなのだらうか。
だとしたら、つまらない世の中だと思ふよ。

ギターフリークスV2(AC,KONAMI)

音ゲーに本格的にハマる切掛けとなつたのは「バンブラ」なのでそちらを挙げようかとも思つたが、今も断続的にではあるが続けられてゐるのは「ギターフリークス」なので、こちらを挙げておく。「V2」であることに特に意味はなく、過去の十選に挙つた中から一つを選んだだけ。遊ぶなら常に最新バージョンなのだし。
これについては、他の何より入れ込んでゐる友人達が居て、彼らの感じる楽しみのおこぼれに与つてゐるといふのが自分にとつての在り方であると思ふ。そして、それは自分にとつても楽しい経験なのだ。さういふ楽しみ方があつてもいいだらう。実力的にはとうに壁にぶち当つてゐるので、あまり巧くはなれさうにない。すまぬ。
あと、なぜかこればかりは家で遊ぶよりアーケードで遊んだ方が(一人の時でも)楽しいんだよな。家庭用移植の出来が特に悪い訣でもないと思ふのだが、アーケード筐体でなければ弾けない曲だつてあるくらゐなのだ。
そろそろシリーズが代替りして、遂にフレットのボタンが五つになるとか何とか。どこまでついて行けるかは分らない。

TEST DRIVE Unlimited(Xbox360,ATARI/eden)

年の変り目はこれをやつておけば良かつたんぢやないかと、今気付いた。なんだか悔しいな。
「Forza」を体験したあとでは車の動き方に不満はあるけれど、それでもこいつは最高だ。ただ道を走るだけで楽しい。そして、道がなければきつとここまでは面白くならないだらう。「FUEL」は未だ遊んでないけれど、たぶんそんな気がするんだな。

Portal:Still Alive(XBLA,Valve)

世の中には凄いことを考へる奴が居るもんだ!!
それに尽きる。是非体験して欲しい。3D酔ひする人には奨め難いけれども。

Geometry Wars2(XBLA,Microsoft/Bizarre)

なぜ一作目でなく「2」なのかといふと、「2」の方が単純に出来がいいからではあるけれども、やはり好きなのは一作目(Geometry Wars:Retro Evolved)なのだ。しかし、その年の十選で一作目を別枠扱ひにして変な採上げ方をしてしまつたから、今更選べないのだ。困つた。
後半のインフレ状態が一見無秩序で無節操なものに見えても、コントロール可能な状態として実は作られてゐる。さういふ点で一作目の方がより優れてゐると思ふ。「2」は洗練されてゐるし、六種ある各モードそれぞれに面白く遊べるけれども、唯一一作目の「永遠に持続する可能性のある地獄」が失はれてしまつた気がする。自分でそこまで到達できるかは別にして、さういふ宇宙があるかどうかが重要。

Forza Motorsport 3(Xbox360,Microsoft)

バトルギア3」を十選に入れようかと散々迷つて、これがあるから落としてもいいことにした。今年の十選にも書いた通りだ。過去の楽しい疑似運転ゲームはすべてこれを楽しむ為にあつたのだ。
最近、3ペダル化とシフトレバーの追加改造をわりと本気で考へてゐる。たぶん、かかる費用もさほどではない筈。問題は、それが完成してしまふとそれに満足してしまつてゲームで遊ばなくなつてしまひかねないことだ。流石にそれは避けたい。
かういふものにハマつてゐると、「そんなに好きなら実車に乗ればいいのに」と揶揄されることが多い。今までは「いやあさうなんですけどねえ」と頭を掻いて苦笑するのが人としてとるべき反応だつたが、ここはもうひとつ押し進めて「車に乗る暇があつたら『Forza3』やつてた方がいいですよ」と言ふべきか。そんな時代がやつて来た。さよならゼロ年代

アイドルマスターライブフォーユー!(Xbox360,NBGI)

いやあ、まさかねえ。これが入るとはねえ。とある仕事絡みでもらつたナムコの広報誌「NOURS」で見た「(仮称)アイドルゲーム」の記事を見た時には想像もつかなかつたよ。
今となつては何が切掛けでここまでになつたのかよく覚えてゐない。色々と徴候はあつたのだらうが、やはり「Do-Dai」の配信が一番大きいのだらうか。なんでか知らんが、あれで化けた。さういふ意味ではやはり採り上げるべきは「L4U」なのだな。

まとめ

自分のハードウェア遍歴として過去十年間を顧みるとDC→GCPS2NDSXbox360とメインが変遷してゐる訣だが、その中ではGCゲームキューブ)の存在感が薄い。「風のタクト」がなければ十選漏れするところだつた。
PS2の存在感もそれほどではない。今部屋のどこかで埃を被つてゐるメモリーカードに、どんな内容があつたかすらほとんどどうでも良くなりつつある。PS3PS2の互換性を高いレベルで維持してくれてゐたら多少は状況も変つてゐただらうか。
そしてニンテンドーDSは結局入らなかつた。ハードウェアとしてはエポックだし、初期の自分の入れ込み様も相当なものだつたけれども、さりとて後にまで残したいタイトルがどれほどあるかといふとなあ。かつての山内溥社長が語つた「ゲーム機といふのは、ソフトで遊びたくて仕方なく買ふものだ」といふ趣旨の言葉とは裏腹に、「プラットフォームが面白い」といふところに留まつた印象。
それについてはXbox360も同様で、やはり「プラットフォームが面白い」といふ点に魅力の多くを負つてゐるのだとは思ふ。ゲーム機の性能が凄いといふのとは別の次元の環境を提供し得たのは、今世代ではやはり360なのではないだらうか。Xbox Liveといふ仕組がなければ、もう少し他のハードの動向にも目を配れたのかもしれないが、正直いつてそんな暇はなかつたと言つてもいい。ゲームのための周辺環境として、Xbox Liveに居るだけでいつぱいいつぱいなのだ。
それに反比例する様に、ゲームセンターから足がすつかり遠のいてしまつた。あちら側でもワシを温かく迎へてくれるゲームをあまり置かなくなつてしまつたから、これは必然なのだらう。
セガラリー2」以降「バトルギア3」の頃までは、「本当に面白い車ゲームで遊ぶにはゲーセンに行くしかない」といふ状況だつた。「バトルギア4」で少し様子が変つて、身の処し方に困つてゐる間にアーケードから面白い車ゲームが消えてしまつた。そして、過去の全てを凌駕するものが家にやつてきた。これでゲームセンターに行く理由の大半が失はれた。あとは専用筐体で遊ぶ音ゲーの為でしかない。変つたのは自分か時代か、両方か。
それにしても、かうして振り返る十年は長く、そしてあまりに短い。正直、2000年に「シェンムー」があつたといふのが信じられないのだ。それが古すぎるのか新しすぎるのかすら分らない。ただ自分にとつての十年といふ月日と、個々のタイトルの擦り合せが上手くいつてゐないだけだと思ふが、それが十年といふ月日なのだな。なんかシミジミとしてしまつた。
各年の十選に入つた作品を改めて並べておかう。

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