大和但馬屋日記

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ツインスティック改造記録その三・延命工作編

  1. ツインスティック改造記録その一・電気工作編
  2. ツインスティック改造記録その二・金属工作編
  3. ツインスティック改造記録その三・延命工作編<今ココ
  4. ツインスティック改造記録その四・完全自作編

さて、前回改造したサターンスティックは一週間で壊れてしまつた。スティック基部の軸受がストレスに負けて割れてしまひ、使ひ物にならなくなつたのだ。

こんな有様である。裏から見るとこんなの。

まさに粉砕。どれだけ負荷がかかるのか。
壊れたものはどうしやうもないから、もう一台あるサターン用ツインスティックの予備を使つて負荷対策を考へてみたい。

検証

駄目にしたスティックの、生残つた方のスティックを分解してみる。


マイクロスイッチ基板を取外した状態。細かいクズが酷使された状況を物語る。


eリングを外して白いキャップを取つた。バネと樹脂製ワッシャーが見える。

全てバラした状態。左からシャフト、軸受荷台、ワッシャー、バネ、キャップ、eリング。バネの反発力で倒したスティックをニュートラルに戻す仕組。軸受荷台の耐久性は経年劣化で落ちてゐる。これは仕方がない。取れる対策としては、ワッシャーとスプリングを調節して反発力を弱め、軸受荷台にかかる負担を減らすくらゐだらう。

対策

で、交換用の部品を調達してきた。



バネは長さを揃へて金鋸でカット。サターンのものより細くて軟かい。これらをオリジナルのパーツと取換へる。

これを組付けてテストしてみた。しかし、結果は失敗。バネの切断面が平らではないため、バネの反発力が面に対して均等に伝はらず、シャフトがニュートラルに戻らなくなつてしまつた。やはりバネはちやんとした長さのものを用意すべきだ。
尚、2chの改造スレにはこの方法で巧くいつたといふ意見もあつた。バネを長めにカットするのが秘訣らしい。一往、参考までに。

ワッシャーは、元の樹脂製に比べて大きく、薄い。台座に面で接するので局所的な負担は多少なりと軽減できるのではないか。また、厚みが薄くなつたので相対的にバネの反発力が軽くなる。今回、前述の通りバネの交換は失敗したものの、ワッシャーの交換のみで当初の狙ひは果したものとする。
結局、やつたのは「ワッシャーの交換」および「軸受周辺の徹底的なグリスアップ」のみ。いやこの場合てってってー的といふのが正しい文法だ。

おまけ

予備を使つて二台目を作るにあたり、もう一つのテーマを用意した。360用コントローラを活かした乗取りである。
職場の後輩が「オラタン」の為だけに360を買つたといふので、コントローラを一本買はせて預り、新たな改造ベースとする。方針は初回と同じアナログ乗取りで、オミットしたBACKボタンだけ増設。
基板をスティック内に内蔵せずにコントロ一ラの形を保ち、機能もなるべく残す。但し工作の都合でトリガーだけはやはり撤去する。
360用有線コントローラ側の基板上の工作は一回目と全く同じ。ハンダ付けするリード線が前回と違ふ。LANケーブルが推奨されてゐるところだが、手許に古いSCSIケーブルが余つてゐたのでこれを利用することに。


PowerBook用のSCSIケーブルだ。今ではたぶん入手困難だらうが、繋ぐ先がなけれは大事に持つておくこともない。このケーブルを切断して利用する。


バラして必要な本数だけグループに分けてまとめた。不要な分は括つておく。結線が済んだら切落す。
もちろん両側を同様にする。そして、線の両端の繋がりを一本一本確認し、識別用のラベルを貼つておく。これが一番面倒で大変だつた。ケーブルが大変細いために普段使つてゐる電工ペンチが役に立たず、皮剥きだけでも一苦労。コツを掴むまでに少し時間を要した。


コントローラのボディパーツにドリルで穴を開けてケーブルを通す。


一本づつ半田付け。後でコントローラの形に戻すことを念頭に、リード線の生へる向きを考へながら作業すること。基板に対して直立する様に付けてしまふと目も当てられない。


反対側をツインスティックの対応箇所にすべて繋いで完成。作業の基本はその一その二と同じなので特にどうといふことはないが、とにかく皮剥きと半田付けに時間が掛つたことだけは忘れられない。
サターン用スティックの方は、天板と天板に接着した各ボタン、そしてスティック軸受の基板のみ初回のものを流用。天板にはBACK用の黒いボタンを追加してある。結線ミスでこちらがSTARTになつたことは内緒だ。問題はない。
これでサターン用スティック第二弾は完成。これは軽く動作チェックしただけで他所の子になつたので、今回の延命工作が本当に妥当だつたかどうかは分らない。
後輩はワシよりよほどハードな使ひ方をする筈なので、いづれ何らかのフィードバックがあるだらう。一往、「公式のが発売されるまでの繋ぎのつもりで使ふ様に」とは言つてあるが、さて。

自分用の完全自作編は、また今度。