大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

昨日の続きで取留めもなく考へる

んー、フリクションホイールのモーメントが発生するトルクをどこまで評価したものか。

ウィリーつてのはまさしく、重心から離れた位置で発生するモーメントの反作用で車体が持上がる現象な訣だ。他にも、モトクロスでは空中でアクセルを煽つてピッチングの姿勢を調整すると聞く。四輪のラリーでもジャンピングスポットで同じ様にアクセルを煽つて着地姿勢を作るなどといふ話もあるが、本当かどうかは知らない。いづれもエンジンの発生する動力を元にタイヤを回転させることで発生するトルクだから、減衰する一方のフリクションホイールでかういふことは起らないと思ふが。
それはそれとして、では保存した運動エネルギーはどの程度再利用可能なのだらう。
ブレーキペダルを踏むことで運動エネルギー回収システム(KERS)が作動する。電気式なら発電機が、慣性保存式ならフリクションホイールが回り始める。電気式ならそのまま運動エネルギーがゼロになるまで、つまり停止するまでブレーキとして使へる筈。この時、運動エネルギーの大半を電気に変換して蓄へることができる。では、フリクションホイール式はどうか。
止つたフリクションホイール(弾み車)を回転させる時の負荷が自動車を減速させる力となる。しかし、そのまま完全に自動車の運動エネルギーを弾み車に移行することはできない。弾み車の回転エネルギーと自動車の運動エネルギーとが均衡した時点で、両者の間にエネルギーの遣り取りは生れなくなる。あとは摩擦損失や空気抵抗による減速を伴ひつつも自動車は惰行を続けることになる。つまり、フリクションホイール方式の運動エネルギーの保存効率は、電気式に劣ることになる。また、これは完全にブレーキ代りとして使へる訣でもないことも意味する。
では、保存したエネルギーを再利用する方はどうか。電気式なら駆動用のモーターを回してエンジンによる加速の補助とする。よくあるハイブリッド自動車と同じだ。フリクションホイール方式の場合は、弾み車の持つ回転力を駆動輪に戻してエンジンの補助とすることになる。なんだか大して使へなささうな気がするが、それでも二速から立上がる低速コーナーを四速でクリアする様なことが可能になる可能性はある。ああ、さうか、方式はどうあれギアの使ひ方が全然変つてくるのだな。
もう一つ疑問。電気式は、工夫次第で運動エネルギーを幾らでも蓄積できてしまふ。弾み車は、すでに蓄へたよりも低いエネルギーを入力することはできない。たぶん電気式の方はバッテリー容量に制限を加へるとか、一度溜めたエネルギーを解放しないまま追加入力してはならない等のルールの縛りが設けられるのだらう。
等々、碌に調べもしないであれこれ妄想してる時が一番楽しい罠。そのうち詳しい技術解説を目にすることもあるだらう。
‥‥いや待て、よく考へたら弾み車の質量を十分に大きくするなどして、回転エネルギーと均衡する前に運動エネルギーを完全に吸収することは可能なのか。それがどのような大きさ重さでマシンに搭載されるのか、うまい妥協点をウィリアムズは見つけたのだらうか。弾み車を軽く作るには大きな直径が必要だし、小さく作るには重くしなくてはならない訣で。
ああさうか、そこで「秒十万回転」な訣ですよ。エンジンの最大回転数の五倍以上もの回転速度に変換する機構を編み出したところがポイントか。質量や大きさでなく、十分な速度に変換する仕組を考へたと。なるほどなー。
だいぶ腑に落ちてきた。