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灼眼のシャナXV(高橋弥七郎,電撃文庫) - 大和但馬屋読書日記 - bookグループ

灼眼のシャナ〈15〉 (電撃文庫)

灼眼のシャナ〈15〉 (電撃文庫)

五巻に一度の外伝、今回は『約束の二人』の過去編。本編との繋がりは何処に、と思へば『彩飄』フィレスが吉田一美に託した宝具の意味を読者に再確認させるための物語であつた。
ただの脇役として登場したかに見える『空裏の裂き手』クロード・テイラーの過去が語られるにつれ、彼こそがこの物語における坂井悠二なのだと気付いたら俄然面白くなつた。クロードの妻が『約束の二人』に託した最後の言葉が胸を打つ。そして今まさにこれを書いて、クロードの妻が最後の言葉を託した相手の通り名が『約束の二人』であることに気付いたら、それが感動に変つた。
表面上の主役であるフレイムヘイズたちの話として読んでゐる間は、ハワイが舞台であるといふ個人的な「TDU」補正なくしては興味を持続させられなかつたけれども、読み終へた今は大満足。傑作だつたと思ふ。
それはそれとして早く本編の続きを読みたい。一刻も早く。