大和但馬屋日記

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Sの季節

yms-zun2007-07-04

米の備蓄が切れたので素麺シーズンに突入。昨年買つた九キログラムの素麺がまだ半分残つてる。これで一夏は過ごせよう。
しかし、冷静に考へると、素麺て別に手軽でもなんでもないのよな。鍋で飯を炊く様になつてから実感したが、一回の食事にかかる手間としては飯炊く方が絶対に楽。飯炊きで唯一面倒なのは米を水に浸す時間を考慮しなければならないことであり、それさへ予めどうにかしておけば後は大した手間ではない。強火で沸騰させてトロ火で炊き上げて火を止めてから蒸らすだけだ。その間におかずの用意をすればよい。
素麺の場合、麺を茹でるだけなら一瞬で終るが、麺つゆと薬味と、そして結局おかずは必要なのでかかる手間はさう変らない。三食に一度は麺つゆを作らなくてはならず、この分だけ明かに面倒だ。これを市販品で済ませられるならば手間は軽減できるものの、それだけは御免蒙る。市販品はどれも大抵昆布と鰹の出汁で、しかも妙に甘ッたるく、コストパフォーマンスも悪い。ワシは煮干臭いつゆでないと素麺を喰つた気がしない‥‥といふと些か語弊があるが、少なくとも自宅で喰ふ分についてはさうでなくてはならない。麺つゆを作るには出汁をとつて味をつけて冷まして、と結構な手間が掛る。出汁は時間のある時に纏めて作つて冷凍保存すれば良いが、結局それは手間をどこかに寄せただけだ。
などとまあ、素麺啜りながら「飯を炊くのは随分楽な作業だつたんだなあ」と思ひ返したことであるよ。