大和但馬屋日記

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今日のゲーム(二月一日)

世界樹の迷宮(NDS,ATLUS,ASIN:B000MQ958A)世界樹の迷宮(特典無し)

あるフロアでの話。そこに出現するFOEは普段姿を見せず、パーティーが通過したその背後に現れてひたすら追ひかけてくるといふもの。未踏フロアの探索のためにTP消費を最小限に抑へつつそのフロアを横切らうとしたワシは、背後に奴が現れたのにも構ふことなくまつしぐらに先を急いだ。時折通常敵ともエンカウントするが、一ターンか二ターンで片付ければ振り切れるに違ひない。
FOEの出現ポイントは勿論一つではなく、そのうち背後には三体の赤いFOEシンボルが犇く様に追つてきてゐた。「ひしめく」は牛が三つだが、実際は熊が三つだ。いやそんなことはどうでもいい。とにかくあと三歩で階段、といふところでまたエンカウント。「破滅の花びら」と「首狩りウサギ」。大丈夫、二ターンで勝てる。逃げ切れる、我々の勝ちだ。確信といふ名の油断。ソードマンが攻撃を外した。「破滅の花びら」がパーティー全員を眠りに落す‥‥
その瞬間、ワシはコンピュータRPGで初めて「ゲームマスター」の存在を意識した。ヘンク・ロジャース堀井雄二もあくまで「ゲームのルールを決めた作者」でありプレイヤーたる自分からは見えない存在だつた。宮本茂もさうだ。
でもこの時たしかに見たんだ、顔も知らない新納一哉といふ人が、次々と乱入する「魂の裁断者」共を相手に折角温存しておいたTPを全部使ひ果たすワシの姿に意地悪くニヤリと笑ふのを。
コンチクショー。