五話おきの法則は一往今回も守られた、といふことにしたいのだが、流石にキャラ作画がちと酷すぎた。第一期も含めた全話中でも最低レベル。まあ、目も当てられない程では‥‥なくもないが、ない。
最初に登場した老夫婦の、爺さんの姿を見て「ほへ? 第一期第一話のリメイク?」と思つたのは自分だけではないだらう。原作コミック版「ARIA」一巻巻頭の話に出てきた頑固な爺さんに似てゐて、しかしアニメでのその話の役は爺さんではなく幼女が担ふことになつてしまつた。言ふまでもなく、アイのことである。
話を戻さう。実際は以前やつた話のトレースではなく新規エピソードだつた。コミックで見たことはないが雑誌連載分にあつた話なのかオリジナルなのかは知らない。
で、とにかく話と演出が良く出来てゐた。作画ばかりかレイアウトまで要所で崩れまくつてゐたにも関らず、最後まで楽しく観られた。後半の画面の色彩も絶品。頑固な爺さんを演じた阪脩もまた素晴しかつた。「ARIA」は、これで良い。見た目のマイナスが大きかつたにも関らず、総じて大きなプラスのお釣りが来たので満足した。ただ、最後に浮島を繋留してゐるケーブルの電燈が点くところはやや演出過剰で吹いてしまつたが。
残すところあと三話。
