大和但馬屋日記

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ARIA The NATURAL #19

リニューアル藍華のおひろめ話二編。
Aパート、風邪ひく話。少し変つた構成だつた。禁を破つて原作との比較を試みる。
藍華が風邪をひいたといふ前提がまづあつて、原作コミックでは灯里とアリスが見舞に行く→何故か藍華が泣いてゐる→その説明、といふ物語的に綺麗な展開だつたのが、時系列順に並べ直されて藍華が泣くまでの過程を先に描写してしまつた。後の説明はそのままだつたので短いAパートの中で同じシーンをしつこく繰返す愚を犯した、かといふとさうでもなく。
今回はアニメの放映順として前回髪を切つた話を受けて藍華をメインに据ゑた回だから、あくまで藍華の視点で話を進める必要があつた。原作の様な灯里から見た藍華に纏はるちよつといい話、では駄目なのだ。そのために多少構成に無理を生じたとしても。
その再構成の御蔭で、練習に励む灯里とアリスを遠目に見て藍華が表情を曇らせるカットが名シーンとなり得たと思ふと、これはアニメなりの名演出だつたと言つて良からう。Bパートに繋がるヘアピンを撰ぶくだりも上手い。
Bパートは、藍華の乳でかいなーといふ感想はさておいて、特に文句のない出来。やはり藍華を軸に話を作るのはやり易いのだらうとは思ふが、それをきちんとやり遂げてるところを賞賛したい。斎藤千和に助けられてる部分も大きいのかな。
今回脚本担当の藤咲あゆなは他所の感想を見て回るにこの作品ではあまり評価が芳しくない様だが、個人的には当り回の率が高い。映像ありきで見た場合に妙な自己主張の強すぎない脚本家として、「ARIA」に適した作家だと思つた。

追記

あともう一つ、この回で「ほう」と感心した部分があつたのだけど、何だつたか忘れてしまつた。思ひ出したら書く。