自分で打撃系の格闘技をやつてリングに上がつた経験もある上司から聞いた話。本エントリにワシ自身の主観は一切含まないが、聞いた話をここに書いたことに対する責任はもちろんワシにある。
要点は以下の通り。
- 見た目の印象は誰が見ても亀田の負け。
- しかし自分で採点して驚いたのだが、たしかに亀田の勝ちであり、八百長試合などではない。
- 判定に疑惑があるとしたら、3Rの判定に10-10の引分けがあること。WBAのルールでは、ラウンド毎のポイントが引分けになることは有得ず、必ず優劣をつけなければならない。この件、本人からの申告により訂正。WBAのルールでは「必ず」ではなく「極力」差をつけなくてはならないさうだ。故にこの項目は無しといふことで。
- この引分けの点をどちらに入れるかが判定での勝敗を分けた。これがランダエダ側に入れば亀田が当然負けになるが、逆にいへばそれでひつくり返る程度の点差でしかないのは明らかな事実で、「八百長だ」と大騒ぎしなくてはならない理由は存在しない。
- 冷静に採点してみれば、「亀田が勝つのはをかしい」といふのと少なくとも同程度かそれ以上には、亀田に合計で3ポイントの負け点をつけた審判の判定の方がをかしいとすら言へる。
- 「ダウンしたのに判定勝ち」といふが、ダウンで失ふのはたつたの2点。いくらでも挽回できる数字でしかない。
- もちろん亀田を勝ちにしなければならないTBSの事情などは知つてゐるが、そのことと試合の判定結果とは全く別問題。ただ、結果的にボクシングの権威失墜となつたことは否定できない。
- でも、自分で採点した者として、あの試合を八百長と呼ぶことだけはできない。
採点表(亀田-ランダエダ)
審判員 | パディージャ | タロン | 金光洙 |
---|---|---|---|
1R | 8-10 | 8-10 | 8-10 |
2R | 9-10 | 10- 9 | 10- 9 |
3R | 10- 9 | 10- 9 | 10-10 |
4R | 9-10 | 9-10 | 10- 9 |
5R | 9-10 | 10- 9 | 10- 9 |
6R | 10- 9 | 10- 9 | 10- 9 |
7R | 10- 9 | 10- 9 | 9-10 |
8R | 9-10 | 10- 9 | 10- 9 |
9R | 10- 9 | 9-10 | 9-10 |
10R | 10- 9 | 10- 9 | 10- 9 |
11R | 9-10 | 9-10 | 9-10 |
12R | 9-10 | 9-10 | 10- 9 |
計 | 112-115 | 114-113 | 115-113 |
以上、さういふ話もあるよ、といふことで。