大和但馬屋日記

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ARIA The NATURAL #10

話も映像も高水準とはいへないものの、まあ普通。ただ佐藤順一の肩書きのひとつである「シリーズ構成」といふ仕事に大いに疑問をもつた一話。さう思つた原因は二つある。
ひとつは、「灯里先輩て、何気に知合ひ多いですよね?」といふ話をなぜ第八話の後にするのだらうかといふ点。第八話でアリスが灯里に出会つた時、暁がアリシアに贈るために買つた大量の薔薇の花を見て「私はてつきり、灯里先輩が街の人からもらつたのだとばかり」と勘違ひする台詞があつた。これは本当なら今回(第十話)のエピソードを受けて初めて言へる台詞である筈。第八話はそれ自体で極めて完成度の高い話だつたが、話数の順番を考へればそれよりも前に今回の話があるべきだつた。
もう一点は、ヴァポレットと呼ばれる水上バス。こんなでかいものが今まで全く映像の中に登場することなく、今回突然現れたことに対する違和感をどうしてくれるのか。第一期からここまでもさうだし、この話以降も映像の片隅にすら登場したことがない。もちろん原作漫画でもさうだけれど、アニメならば第二期の放送が決つた時点でこの話をやることが決つてゐたのだらうし、それならば街の風景の一つとして水上バスを入れておく事は可能だつた筈だ。
この二点がどちらもあまりにも唐突すぎて、「何故今頃になつて」といふ違和感ばかりが残つた。この作品におけるサトジュンへの不信感がまた一つ増した。