大和但馬屋日記

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船の去来

ここんとこ、いくつかのアニメで「岸壁を真横から捉へて、その奥を船がスライドして移動する」といふ描写を目にすることがあつて、その度にどうも「何でこんなことするんだろ」と気に掛つてしまふ。動力付の船であれば接舷した状態からいきなり船首方向に、岸壁と平行に動くなんてことはまづやらない。危険だから。一旦岸壁から距離を置いてから方向転換して、初めて走り出すものなのだ。もちろん接舷する場合も同様だ。
もちろん「何で」の一番の理由は作画の省力化といふことなんだらうが、本当にそれだけだらうか。何となく、列車の描写の時と同じに考へて手癖でコンテ切つてるだけなんぢやないのかといふ気がしてならん。
日本は海洋国家ではないから船に関する描写はいい加減なものが多くて歯痒い。「AQUA」の「希望の丘」の話で水路を行交ふ舟が悉く左側通行してゐるのを見ると残念に思ふ。未来の火星だつて舟は右側通行に決つてゐる。