大和但馬屋日記

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ロケットまつり7

ロケットまつり7

今更だけど日曜日(二十一日)の夜に開かれたロフトプラスワンのイベント「ロケットまつり7」の感想。
ロケットから人生観まで学べてしまうぞ!失敗は成功のもと。やらかした失敗を大公開!失敗から学べ!といふテーマはどこへやら、といふか事前の予告通りの内容であつた験しがない気がするが、いつも通りに面白かつた。
前半は笹本祐一あさりよしとお松浦晋也(写真左から)各氏による先日のスペースシャトルディスカバリー」打上げ見学空振りレポート。空振りは空振りなりに、しつかりと見るべき点は見てきたあたりは流石だつた。延期の説明をする記者会見の異常な雰囲気は、事情を知る人に説明を受けなければなかなか分るものではない。
結局、打上げは「センサー異常を敢へて無視する」といふ暴挙を許す形に打上げマニュアルを書換へて強行された訣であるが、その末に機体と乗員が無事に帰つて来られたのは結果論にすぎない。今年四月に東京ジョイポリスで起きた死亡事故は、店が黙つてアトラクションの運行マニュアルを書換へて安全装置の装着を徹底しなかつたために起きたと聞く。この事故と「ディスカバリー」の打上げ強行に、如何様の違ひがあつたといふのか。今のアメリカには有人宇宙飛行を行つて欲しくない。人命が無駄に損なはれるのも見たくないし、このままでは宇宙開発のイメージが悪くなる一方だ。「失敗は成功のもと」とはいつても失敗のレベルが違ふ。といふか失敗でなく成功だつたのだからなほ質が悪い。スケジュール強行のためにマニュアルを変更しても良いといふ悪しきノウハウがNASAに残つたといふ事実を忘れてはならない。
といふ空振りレポートが終つた後は、今やレギュラーゲストとなつた林紀幸、垣見恒男両氏が加はつた。野口宇宙飛行士が「ディスカバリー」に持込んだペンシルロケットの話とかムニョムニョ。あと、綺麗な花火を見たやうな気がするがたぶん気のせい。普段にも増して取り留めのない話だつたのと、ワンフェス疲れと寝不足で落ちる寸前だつたので仔細は覚えてないことにしておく。きつと花火は夢だつたのだらう。
具体的な「失敗学」ぽい話はあまり聞けなかつたが、どうやつて経験を蓄積するかについての話が興味深かつた。伊勢神宮式年遷宮の譬へが林さんから出てきたのも興味深い。
実際の打上げ現場での「作業手順書」の話が出たので、質疑応答の際に「手順書の重要性はよく分りましたが、ではその手順書の内容が正しいことを誰がどうやつて保証するのですか」とマイクを貰つて訊ねてみた。両氏に頂いた答へを総合して要約すると「手順書の内容は常に最新のものに更新されて継承されていく。そこで一番重要なのは最新版の管理である」とのこと。業種に関らず、仕事をする上で全く当り前のことではあるが、当り前であるが故に致命的でもある。シャトルの話に戻ると、NASAはここで重大な過ちを犯してゐると言はざるを得ない。今回の話から、いろいろと考へる材料を戴けたと思ふ。それについてはまた追追触れていくことにならう。
次回は十月下旬。番外編として九月二十五日には大阪の恵美須町で出張イベントが催される。行きたいけど、どうかな。とりあへず、近くにお住ひの友人達にはお勧めしておきますよ。絶対面白いから。‥‥と思ってhttp://mars.eplus.co.jp/ss/kougyou/syosai.asp?kc=013310&ks=04を見たら、もう予定枚数終了だつてさ。とほほ。