大和但馬屋日記

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ウェブ上の署名活動の問題点

例へば今注目のhttp://miuras.net/matsushita.htmlのやうなサイトを見ると、署名の登録フォームはあつても、一度登録した署名を取消すことについては何も記載されてゐないことが多い。人間なのだから、誰しも後で考へが変ることはあるだらう。さうなつた時に、「もう賛同できません」といふ意思表示はどのやうに行へばよいのだ?
運営者はかう言ふだらう、「直接メールをいただければ適切に処置しますよ」と。しかし、それが何かの保証になるだらうか。もし運営者の身に何かが起きて、メンテナンスができなくなつたとしたら。あるいは運営者が単に無責任であつた場合は。何より、「寝返りは許さない」などと運営者が言ひ出したりしないのか。
上記のやうなサイトに名前や自分のサイトのURLを残すのは簡単である。そして、一度残したものは、意図的に消さない限り永続的に残る可能性がある。検索エンジンのキャッシュやwebarchiveの履歴、また誰かが独自に保存したものまではどうしやうもないが、最低限自分で自分の署名をリストから除外する方法くらゐは用意するのが筋といふものではないのか。本当なら、署名の有効期限も設定されてゐなければをかしい。そして、有効期限が過ぎた後に集めた署名をどう扱ふかも示されてゐて当然だらう。それら基本的な責任の所在を明確にしない者が社会活動の真似事をするなど冗談もいい加減にしてほしいものだ。
一時的な感情に任せて残した名前がいつまでも残る可能性について、署名者が無意識なのは(嘆かはしいことだが)仕方ないにしても、運営者まで同じ意識レベルだと困る。署名する者も、そこまで考へてから運動に署名するかどうかを決めるべきだらう。後で恥かしい思ひをしたくないならば。
こんなことを書くのは、何年も前にオレもその種の署名をしてしまひ、今はその主張に対する考へが変つたのでそれを取消したいのだが、運営者に連絡がとれずウェブ上にいつまでも賛同者として今も名が残つてゐるといふ苦々しさをまさに味はつてゐるからだ。もちろんそれはオレ自身の責任であるが、だからといつて運営者が軽軽しく「そこは自己責任ですから」などといふことまで認める積りはない。