大和但馬屋日記

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音楽のランダム再生

音楽ファンの多くは、iPodを購入したり『ウィンアンプ』や『iTunes』(アイチューンズ)といったジュークボックス・ソフトをインストールしたりした直後の感想として、曲のランダムなシャッフル再生がいかに楽しいかを熱狂的に語っている。

id:mutronixさん経由*1。自分の場合音楽をMP3にして聴くといふ遊びを実践し始めたのがほんの最近で、Winampでこの様な聴き方を楽しんだりもするのだが、さうすること自体には新鮮さを感じなかつた。何故だ? と考へて思ひ出したこと。
以前(いや今も)、X68000のHDDにZMS*2ファイルをしこたま蓄へて、SX-WINDOWのプレイヤーで流したままにしてゐることがよくあつた。そのプレイヤーの名前は失念してしまつたが、当時にして今あるプレイヤーと操作面ではほぼ同じ機能を備へた秀逸なもので、プレイリストの編集もできるしランダム再生も当然できた。
溜めてゐるのは主に「電脳倶楽部」に毎号掲載されるデータで、いろいろなジャンルの曲が数十曲も揃つてゐたから全曲聴き通すには一晩くらゐはかかつたと思ふ。だから徹夜で何かの作業(主に同人誌の原稿描きw)をする際のBGMには重宝した。根を詰めた作業のBGMにはCDはよろしくない、交換のたびに手が止まるから。かといつてラジオを聴く趣味もなく(そのときは人の声が邪魔だと思つた)、それよりも「パソコンから出てくる音」それ自体が好きでならなかつたのだ。
で、数は少ないが、そのプレイリストには自分で作成したデータも忍ばせてゐて、たまたま他人の作つたデータと同じ曲の自分のデータが運のいたづらで連続して再生された時などは一人ニヤリとしたものだ。
オレが一番ホットにX68000を使つてゐた頃はまだパソコン通信には手を出してゐなかつたので、手持ちはせいぜい数十曲程度だつた。ネットでMDX*3ファイルをガンガンダウンロードしてた人などは軽く数百曲を保有してゐただらうね。ランダムプレイもさぞ楽しいに違ひない。
そんなわけで、今かうした楽しみ方が話題になるといふことがむしろオレにとつては新鮮な驚きだつた。ていふか、パソコンやその周辺機器で音楽を聴くといふことがこれほどまでに一般化するとは思はなかつた。そして気付いた時にはむしろ乗り遅れてゐるあたりが駄目なオタクぶりを露呈してゐて情けない。

*1:id:mutronix:20040601#ac0602020815

*2:X68000用の音楽記述フォーマットの一つ。システム標準のOPM形式の上位互換形式

*3:パソ通方面で主流だつたフォーマット