ANIMAXで適当に流れてるのを特に追ひかけるでもなく眺めてゐたらほとんど全話観ることになつた「エリア88」だけど、まあ巷であれこれ言はれてゐる「原作と比べてどうかう」とか「昔のOVAと比べてどうかう」なんてのは不毛の極み*1なんで置いといて、「テレビアニメにおけるCGの使ひ方」といふ点にだけ着目して観た場合、かなり良い出来だつたんではないかとオレは思つた。
あれと同等以上のクオリティで、2D手描きのテレビアニメができるわけないぢやん。「CGを使ふ意味」はそれだけで完全に満たしてるわけで。「CGだからもつと凄いのが出来て当り前」なんてのは、フルアニメーションを称揚してリミテッドアニメーションを否定するのと同じレベルの暴論だと思ふ。
考証云々はまた別の話として、動翼が動いてないのはあらかじめさういふ演出プランだつたからにすぎず、想像し得る予算やスケジュールの兼合いと実際に仕上がつた絵のバランスからみておそらく妥当な判断だつたとみえる。故に3DCGを使ふ意味とはまつたく無関係だらう。
旧OVAの「向き合つた飛行機同士が真正面からミサイル発射」なんて空戦描写が手描きで凄い作画だつたから許せるんだとしたら、3DCGに永久に勝ち目はないよなあと、3Dで飯喰ふ者としては思はざるを得ない*2。そして、あのOVAの様な作画クオリティで毎週のテレビアニメが作れるはずもないわけで。
「モンキーターン」のレースシーンとか「頭文字D」とか、オレは大好き。ただ、ここに挙がつたいずれも「ドラマ部分は要らねえなあ」と思つてるあたり、我ながら不真面目な視聴者だ。別にドラマがつまらないわけぢやないけど、よく考へたら子供の頃からテレビ番組は「コマーシャルより後」だけ観てたら満足だつたんだよな。三つ子の魂なんとやら。
