大和但馬屋日記

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R

id:cando:20031210#1071023734に触発されてR4を引張り出してみる。永瀬麗子のシールを貼つたメモリカードとかジョグコンとか、必要なものを取揃へるだけで疲れた。
で、走つてみたが、やつぱり、オレはダメだこれ。減速が楽しくないといふか、そもそも減速するポイントがない。
リッジレーサー」シリーズのプレイ感覚を指してcandoさんの仰るコーナーが襲ってくるといふ言葉はまさに的確だ。そのセンスに軽い嫉妬すら覚える程なのだがそれはおいといて、つまり「リッジ」におけるコーナーとは「避ける」あるいは「やり過ごす」ものであつて「攻める」対象とはなり得ないといふことなのだ。
だからコーナーへのアプローチは一発勝負、ラインを合せたらあとはドリフトに持込むタイミングだけが狙ひとなる。アクセルオフやシフトダウンはドリフトへのトリガーに過ぎす、コーナリングフォースとタイヤのグリップとのせめぎ合ひといつた要素は仕様レベルで無視されてゐる。右へ左へ、最高速を保つたまま障碍物を巧みに避けるのが「リッジ」の爽快感だ。
レースゲームの醍醐味といふと誰もがまづ「スピード感」を筆頭に挙げるだらう。それはそれで間違つちやいないが、ではそのスピード感をどの様に得るか。ゲームの世界では当初からジェットコースターよろしく最高速を維持することを目的とするのが普通だつた。
また昔話をしようか。かつて一世を風靡した「モナコGP」、「ポールポジション」、「アウトラン」、「ファイナルラップ」。どれもこれも、何のためにブレーキペダルが付いてゐるのかわからない様なゲームだ。これらのゲームにおいてブレーキを踏むことは罪悪であり、プレイヤーにとつては不快な行為にすぎなかつた。
ポールポジション」のライバルとして「TX-1」、「アウトラン」のライバルとして「WECル・マン24」といふいささかマイナーなゲームが存在し、実は当時オレはそれらの方が好きだつた。メジャーなライバルに対して、これらはブレーキをきちんと踏んでコーナーを曲れば結果的に速く走れることが明確であり、そこが面白かつたのだ。適切なスピードでコーナーを曲り、アクセル全開でモリモリスピードが乗つていく感覚。この加速感も立派なスピード感と言へる。「アウトラン」においては293km/hの状態こそが正常で、それ以下の加速中の時間はただもどかしいばかり、そこに楽しさなど微塵もないだらう。そして話を戻すと、「リッジ」もまさに同じ感覚なのだ。
リアルかどうかは問題ぢやない。きつちり減速してコーナーに進入、ベストのラインでグリップを維持しつつ最大のトルクをかけて加速。この一連の動作が気持よく決まる様に作られたゲームこそが、オレにとつて理想なのだつた。
だからもう一度繰返さう、ドライブゲームは減速が楽しいのだ、と。