大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

分割民営化の弊害

JRの新幹線切符購入に関するあれこれ。ここでもまた利用客軽視のJR東海の実態が。まつたく,なんで東海道新幹線JR東海なんかの持ち物になつてしまつたのだらう。在来線と同じく,熱海以東と米原以西でそれぞれの領域の会社の経営に任されてゐれば,東京や新大阪駅で利用客に不便な(もつとハッキリ言へば不快な)思ひをさせずに済むものを。


オレにも苦い経験がある。東海道新幹線を東京から利用しようと思つたときに,事前に切符を購入するとなると,旅行会社を除けばJR東海の駅窓口は東京(と品川)にしかない。よほどの用事がないとわざわざ東京駅くんだりまで行かないから,普通はJR東日本みどりの窓口で事を済ませることになる。東日本の窓口では,普通にクレジットカードが使へてしまふ。その時はまとまつた枚数を一括購入するために現金の用意がなく,迷はずクレジットカードを使つた。
その後一枚をキャンセルすることになつたのだが,ここでえらい目に遭つたのだ。キャンセルが帰りの切符だつたこともあり,出発当日にキャンセルすればいいやと思つて東京駅の東海道新幹線窓口へ行つたら,「東日本でクレジットカードで購入されたものは返金できません」。よく考へたらそこは東海の窓口。でもその時は出発間際で,もう東日本の窓口へ行く時間的な余裕はない。たとへ行つても,どこもかなりの行列だ。結局,その一枚は泣く泣くパーにした。
もちろん責められるべきは間際まで放置してゐた自分自身であつて,JR東海に直接責任のある話ではない。しかし,会社が二社に跨つてゐること,それによつてどんな弊害があるかについて,情報がなさすぎる。手痛い授業料を支払はないことには,かういふ問題に気付けもしないのだ。「みどりの窓口」で国鉄全線の切符が買へるといふこともあり,JR各社間の壁はあまり感じなくて済む様になつてゐる。しかしその中途半端な便利さのおかげで思はぬ落し穴に引掛かる可能性があることは,常に意識しておかなくてはならない。どんなサービスだつて,利用することのメリットは説いても,デメリットまでは教へてくれない。
それにしたつて,東海道新幹線の東京口の業務がJR東日本に一元化されてゐれば,二社間の壁といふ馬脚を利用客に顕すことはなかつたわけである。JR東海は熱海から米原までの通過分の料金しか取れない様にすれば,少しは利用客の立場でものを考へる様になるかもしれない。むしろ何も考へなくて済む様になつて,ますますひどくなるかもしれないけれど。
軒を借りる店子としては,せめてサービスのレベルを大家の会社と同レベルに引上げる努力くらゐはして当然ではないか。折角掴んだドル箱を手放したくないならば。