大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

相変らず銀座線日本橋駅は蚊の巣窟で、そればかりかやはり電車の中にも蚊は飛んでゐて、その一匹を右手で握り潰したのだ。すると、一体何人分なのか、見知らぬ他人の血糊が我が手を赤く染め上げて‥‥
それが後に世界を震へ上がらせることとなつたあの惨劇の引き金にならうとは、その時の私は想像だにしなかつたのである。
(続く)