大和但馬屋日記

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予め分つてゐて尚動揺を禁じ得なかつた

yms-zun2006-09-11

足かけ十六年だ。さうなつて当り前だらう?
勝利者インタビューで吶吶と語る彼の姿に、十六年分の様々な姿が覆い被さつた。
それはスタートやり直しとなる大クラッシュの原因を作つてセナに説教を喰ふ姿であつたり
第二のセナになれると思ふかと訊かれたフジテレビのカメラに向つて「僕はマイクル・シューマッハーだ、他の誰でもない」と生意気に言つてのけた姿であつたり
雨のスパで黄色いバナナノーズに初のチェッカーを受けさせる姿だったり
タンブレロの砂塵に埋れるFW16の脇をかすめる姿だつたり
豪雨の鈴鹿で目に見えぬヒルに猛チャージをかける姿だつたり
アデレードヒルに体当りする姿だつたり
ヘレスでジャックに以下略だつたり
またも雨のスパで水煙の中から三輪走行で出てきた姿だつたり
その直後、クルサードに「殺す気か」と掴みかかる姿だつたり
やはりスパでゾンタを狭んでハッキネンに実に見事にオーバーテイクされる姿であつたり
インテルラゴスの低速セクションで素晴しい四輪ドリフトを決める姿だつたり
鈴鹿で空前のコースレコードを叩き出した瞬間だつたり
琢磨のヘルメットを脱いだグローブではたく姿だつたり
そして何度目にしたか分らない、力強く表彰台でジャンプする姿だつたり。
十六年だ。
F1を欠さず観戦する様になつて、今年でやうやく人生の半分の年月が経つた。その大半に彼の姿があつた。それまでは誰を見てゐただらう。
これからは、誰を見れば良いのだらう。

ブレーキ周り

土日を使つてブレーキワイヤを全交換。ちやんとシマノ‥‥ではなく少し安価だつたJagwireのワイヤカッターを買つてきて、改めてワイヤをぶちぶち切断してみた。おお、切断面が綺麗ぢや。
ついでにブレーキ本体も一旦全部バラして泥落しとグリスアップ。後ろはブレーキシューも新品に交換。
それにしてもブレーキやシフトの仕組を考へた人は凄いね。インナーとアウターのワイヤの働きを考へながら組付けていくと、その頭の良さに痺れる。Vブレーキもまた凄い。最もシンプルでかつ効果的な構造は驚嘆に値する。メカといふのはかうでなくてはいかん。これに比べるとディスクブレーキなんてのはどうもアレな感じだ。どれだ。
ケーブル交換よりもブレーキ本体のメンテに少し時間を掛けすぎたのでシフトワイヤはまた今度。
ついでに、購入以来シートポストに装着したままだつた後ろの荷台を外すことにした。荷台として役に立つたのはただ一度、PS2本体とGTフォースを秋葉原でまとめて買つて帰るときだけだつたし、その後まともに使ふ機会もないままゴム紐だけが先に駄目になつて、面倒だから新しい紐を買ふ気にもならなかつたし。泥除けとしては多少の役に立つたかもしれないが、一番の役割がテールランプのマウント台座といふのであれば流石に存在意義に疑問を覚えようといふもの。つか、疑問に思ふのが遅すぎ。
荷台を外したことで車重も軽くなつた。走行性能の面からは車重なんて気にしないけれども(気にするならまづ自分の体重と持ち歩く荷物の量が先だらう)、毎日マンションの階段を担いで昇り降りすることを考へれば少しでも軽いに越したことはない。
もうひとつついでに、ストライダのタイヤのチューブも新しいものに交換。購入時にセットされてゐたのが米式バルブのチューブで、家にあるフロアポンプが仏式バルブだから仕方なく携帯用ポンプを使つて空気を入れてゐたのだ。しかし携帯ポンプでは満足に空気が入らないし、何より疲れる。しかも小径車は入る空気の絶対量が少ないから、自然に抜ける空気の量が径の大きなタイヤと仮に同じとしても割合としてはずいぶん大きくなる(つまり相対的に空気が抜け易い)し、ストライダのジオメトリの関係でリアタイヤにかかる負担がフロントとは比べ物にならないし、米式バルブは空気がよく抜けるしで、もうほとんど乗るたびに空気を入れ直さないとどうしようもない状態が続いてゐて、なんで下駄代りに買つた自転車でそこまで苦労しなくてはならんのかと思つてゐたのだつた。
こちらはサクサクとチューブ交換。その特異な形状ゆえに色々と欠点も多いストライダだけど、タイヤ周りのメンテのし易さにかけては並ぶものがない。片持ちホイール様様だ。