大和但馬屋日記

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ゼビウス」の難易度に関する昔の日記に今も時々アクセスがあつて、有難いことである。その流れで色々調べる内にナツゲーミュージアムさんのツイートで「『ゼビウス』に難易度設定*1は存在しない、それ故に高難易度版『スーパーゼビウス』が後から発売された」といふ旨の発言があつたのを見つけた。いやいやそんな筈はない。高校生だつた当時、寝屋川のグリーンシティのゲームコーナーにテーブル筐体の「ゼビウス」が二台並んでゐて、それが両方共最高難度に設定されてゐて酷い目に遭つたのを覚えてゐる。トーロイドが第二波から弾を放ち、第三波には早くもタルケンが来て、第一エリアの中盤のゾシーにやられようものなら再スタートの一発目にブラグザカートが飛んで来るといふ狂つた難易度で、友人と「何ぢやこれー!」と叫びながら遊んでゐたものだ。それはもちろん「スーパーゼビウス」ではないし、「ゼビオス」でも「バトルス」でもなく歴としたナムコ製の本物であつた。
さらにネットを検索してみると、ディップスイッチによる難易度設定はちやんと存在してゐるが、公式の基板のメンテナンスマニュアルにはその記載がないとのこと。実際、難易度を弄つた状態で稼動してゐるところをグリーンシティ以外で凡そ目にした覚えはないので、あまり一般に知られてはゐないものと見える。因みに、ファミコン版の無敵コマンドで有名になつた隠しフラグ設定においても同様の難易度の変更が可能である。
このアーケード版の高難度設定も、前述の様に序盤の敵の出現パターンに驚きはするものの、敵の弾幕が特段激しくなつたりする様な物ではなく、空中敵の出現テーブルが異常に早回しになつてゐるだけだつたといふのが今になっての感想。実際、落着いて序盤を凌いでしまへば、アンドアジェネシスを過ぎる頃には普段とそんなに違ふ感じはしなくなる。例の動的難易度を進めるカウント値に係数が係る程度のものなのだらう。「スーパーゼビウス」については、追加キャラやソルとスペシャルフラッグの配置変更や得点リセット等の底意地の悪いフィーチャーの追加の他に、敵の出現テーブルそのものが変更されてゐる。具体的に言ふと、タルケンとジアラが同時に出現する場合、「ゼビウス」のジアラは決して弾を撃たないのだが「スーパーゼビウス」ではジアラも弾を撃つてくる。「ゼビウス」において見た目が同じで異なるアルゴリズムを持つ敵が存在する場合、それらはテーブル上では別キャラ扱ひであり、一部を除いて倒して得られる点数も異なる。つまりこの「タルケンと同時に現れるジアラ」もテーブル自体が違ふものである、と考へられる。他にも「ゼピウス」ではマップ固有の空中敵として設定されるだけの「画面下から出現するゾシー」が「スーパーゼビウス」ではテーブルの中に組込まれてゐるなどの違ひがある。
ゼビウス」が移植される時、べース難易度の変更まで移植されることはあまり多くないのだらうか。ファミコン版は前述の通りあまりに有名な裏技が存在したが、それはむしろ例外と言つて良さげだ。「ナムコミュージアム」においてはどうだつたらう。今やさういふのを確かめるのも面倒臭いといふか、そもそも需要もない。

*1:ゲーム中の動的変化のことではなく、基板上のディップスイッチ設定によるべース難易度の変更のこと