大和但馬屋日記

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ばむばんか惰隠洞さんで長岡秀星氏の訃報を知る。ゲームオ夕クの旧ナムコ信者にとつて長岡氏といへばまづ最初に「ボスコニアン」のポスターを思ひ出さざるを得ない。一九八〇年代初頭のゲーム関連のアートワークとしては傑出した出来だつたと思ふし、あのポスター一枚がなければその後の「スターラスター」、ひいてはUGSFシリーズなる世界観も存在しなかつたかもしれないと思ふ程のインパクトがあつたのではなからうか。もつと言ふなら一九八五年に宇宙ガ・マルゴト・ヤッテクルことにも影響を与へてゐたかもしれないし、「ぼくの地球を守って」さへも今知られてゐるものとは別の何かになってゐたかもしれない、そこまではは流石に言ひ過ぎかとは知りつつもやつぱりさう思ふ。ビデオゲームの世界観の確立といふと「ゼビウス」ばかりが取沙汰されるけれども、その前段階としての水準を引上げるのに果した役割は大きかつたのではないかな。なんて、その頃は何も分らないボンクラの子供だつた世代の自分から見た後知恵の妄想。本当のところは十歳くらゐ年上の人に訊かなくては判らないけれど、一枚のポスターが未熟な世界を成熟に導いたといふ歴史観があってもいいぢやないか。
スプラトゥーン」の対戦で勝敗判定をする猫のジャッジ君、彼は(以下ネタバレ)海面上昇により人類文明が滅んだ後に陸上に進出して文明を築いた非脊椎海産物の世界に、過去の人類がタイムマシンで送り出した「スプラトゥーン」世界唯一の知的脊椎動物である。では何故彼は猫なのか。彼はこの世界での全てのマッチに対して厳然と勝敗判定を下してゐる。プレイヤーの観測外の別のマッチ部屋のことはさて措くとして、同じ時空を共有するある一つのマッチングに対しても、勝者と敗者のチームに其々異る判定を同時に下してゐることになる。観測者たるプレイヤーに依つて同時に相反する振舞ひを見せる審判者の役を担ふ生物といへば、やはり猫以外には考へられないだらう。時空を超えた猫といふ背景が与へられたのも偶然ではあるまい。
今日はウデマエB-からC+に落ちてその後B-→C+→B-と上り下りした。ランダムマッチのチームメンバーの事を、自分を棚に上げて負けた理由とするのは果てしなく恰好悪いことだとは信念として思つてゐるけれど、流石に高所を独占して必死に陣地を守り続けてゐるのに全くサポートもしてくれず結果的に負けてウデマエが下るのを何度も繰返してゐると呪咀の一つも口走りたくなる。俺はどうすれば良かつたんだらう。ホットブラスターカスタムにできることといへばガチエリアに切込んだ後はひたすら専守防衛で近づく敵を狩り続けることくらゐだが、流石に敵の十字砲火に為す術はないのだ。なんでガチエリア周辺に味方が居ないんだよ。なんでシオノメ油田の南広場に味方のトルネードが立昇つてんだよ! 自陣営がガチエリアを押へてゐても、念の為にガチエリアにに重ねるか、さもなくば温存しとけよ! 云々。
ガチマッチにおいてトルネードは重要な制圧手段だが、俺の観測範囲においては味方がトルネードを持ってゐて適切に作動させる例は多くなく、敵方がさうしてゐる例は多い。かうなる理由は明白で、要するに俺がホットブラスターカスタムを使つてゐる限り俺の居るチームの四人に一人は絶対にトルネードを持つてゐないのだ。ランダムマッチのチーム分けにおいて、トルネードを持つてゐる確率が絶対に四対三で自陣不利といふのはかなり大きい。だからこそトルネードを持たぬブキの使用者はトルネード分の働きをしなくてはならないし、ましてトルネード持ちがトンチキな使ひ方をしてゐては勝てるマッチも勝てない。「スプラトゥーン」、実に奥が深い。
任天堂は「スプラトゥーン」を産み出す為にこの世に存在したのですよ。スペースファイヤーバードもシェリフもポパイもドンキーもマリオもゼルダメトロイドクルクルランドエキサイトバイクも全てはここに至る前振りに過ぎなかつたのだ。