大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

人間の行動の半分は思ひ付きであり、残りの半分は気の迷いなのであるからして。

朝つぱらからこんなところに居る。
特に何か決めてゐたわけではない。蒲団に入つて眠らうとした時に、ふと「明日は天気が良いに違ひないぞ、それも半端な良さではないに決まつてゐるぞ、然るにそんな日に昼まで寝こけてゲームして過ごす気か俺」と悪魔が囁いたのだ。ああさうだよ悪いか、そろそろ俺は「GTA V」を開封しないと、結局開封せずに終わつたPS2版「GTA2」の悲劇を繰り返してしまふではないか。それはさうとして、0520時東京発に乗るには、もう眠つてはいけない時間だな。
四時過ぎに自転車で家を出て、東京駅で輪行袋を作る作業をして、ホームに上つたら大誤算。0520時発が、静岡行きでなく沼津行になつてゐるばかりでなく、ごくごく普通の東海道線普通電車になつてゐるではないか。特急車輌を使つた静岡行であるところがよかつたのに。といふか、しばらく18きっぷを使はなくなつてゐたので「ながら」絡みの事情に全く気付いてなかつた。普通の普通電車だと、輪行袋の置場に困るのだ。仕方がないから列車の最後尾に立てかけて、横に立つたまま熱海まで。熱海で他の客が降りて空いたので、そこでやうやく座つた。電車で寝ておく目論見が崩れてしまつた。
沼津からどうするかは考へてなかつたけど、まあ普通に薩埵峠だよな。iPhoneのナビに任せて海際へ。沼津港から田子浦港まで、海沿ひに防風林が続いてゐて、林の陸側が東海道、海側は管理道路になつてゐる。道路は半ばサイクリングロード状態。風が隠やかな今日などは誠に走り易い。なんせ海際だから起伏も傾斜もなく、海岸線もひたすら真直ぐ真直ぐだ。よくある川沿ひのサイクリングロードなどとは比較にならないくらゐスムーズに、ずっと同じペースで走り続けられる。考へ様によつちや危なくて、たぶんこの道が百キロも続いてゐたら俺は脱水症状とハンガーノック疲労でバッタリ力尽きて倒れるだらう。三十分間の気持良い走りの後で、太股に少し痛みを覚えた。
富士川に出て、河川敷を走り撮影ポイントを探す。それらしいところを見つけてカメラを構へてゐたら、少し離れた処に長玉構へた撮り鉄の人が何人も居た。中には女性も居る。まあ有名ポイントだから、こんな天気の日はかういふもんかねと思つたが、聞けばそれだけではなかつた。一時間後にドクターイエローが通るらしいので、それ狙ひださうだ。成程。ちよつと心ときめくが、それは俺の目的ではないので「好運を祈ります!」と言つて立ち去つたら不思議さうな顔をされた。
蒲原を過ぎて、由比で昼飯とモバイルの充電。「正雪」といふ地酒が気になつて仕方ないのだが、呑まうにもサイクリング中だし持ち帰らうにもサイクリング中だしで、指を咥へて見るに留める。次は呑みに来よう。しかし由比だから正雪て、ちよいと安直ではないかしらん*1
そしていよいよ薩埵峠。大して高い峠ではないけれど、それ故にキツい坂があつて、俺程度の脚には丁度いい壁だ。

田子浦ゆ打出てみれば真黒にそ。
薩埵峠を越えて静岡へ。大分時間を使つたので、東海道沿ひをほぼ真直ぐ。久能山の方は寄らなかつた。
輪行袋に自転車詰めて「こだま」に乗る。インドGPにはちよいと遅れるかもしれんね。ベッテルおめでたう(気が早い)。
帰つたら丁度放送が始まつたところだつた。思つてたよりもスタートは遅かつたのね。んでもつて、やつぱりベッテルおめでたう。

*1:あ、由比正雪つてちやんと地元の人なのね。これは失敬