大和但馬屋日記

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カペタ」の最終巻を買って読んだ。
漫画として、またレースとして面白いところは前の巻までで終つてゐて、後はもう綺麗に締めるだけ、といふ感じではあつた。巻末で作者が記してゐる通りで、もうカペタの物語は十分に描き切つてしまつたのだと思ふ。この先に何が起きても、もうカペタには「成功」しかないのだから。
例へばF1にステップアップしたカペタの姿を描いても、これまで以上のドラマを持ち込まうとすれば途端に「あり得ない嘘」になつてしまふし、ドラマを抑制してしまへばそこには無敵のチャンピオンしか残らない。
フォーミュラレースの「面白いところ」は十分に描き尽くされた。こんなレースが見たかつた、とは敢へて言ふまい。レースの現場では、毎戦の様にこの素晴しい漫画の様な戦ひがあるのだから。