大和但馬屋日記

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ThinkPadトラックポイントの話。

ThinkPadシリーズはこのトラックポイントを備へてゐる御蔭でトラックボールタッチパッドを必要とせず、ノートPCの限られた表面積一杯にキーボードを充てることができる。即ち同等の画面サイズの他機種に比べてより大きなキーボードを装備できるといふ訣で、このキーボードの為にThinkPadを選ぶユーザーが少なくない。
トラックポイント自体は、言はば感圧式のアナログジョイスティックであり、その独特の操作感に慣れてしまふと、これまた他に換への利かない身体になることもあるといふ。
俺はタブレットになつてからのThinkPadユーザーなので、キーボードやトラックポイントに殊更な思ひ入れを持つてゐる訣ではないけれども、その出来の良さについては折に触れて実感してゐる。

さて、こちらがThinkPad Tablet 2と同時に発売されたBluetoothキーボードに備はつた、新しい光学式卜ラックポイントである。やはりこれの御蔭でキーボード自体はサイズの割に扱ひ易いものとなつてゐるのだが、しかし何故トラックポイントが光学式になつたのだらうか。おそらくは厚みの問題かと思はれる。
これの使用感は、従来のトラックポイントとははつきり異なる。従来のはジョイスティックだから、いつまでも入力を継続することができる。それに対して光学式は、この突起の上を指が横切る範囲でしか反応しない。言つてみれば極端に面積の小さいトラックパッドの様なものである。あるいはトラックボールに近い感覚かもしれない。カーソルを広い範囲で動かさうと思つたら、トラックポイントの上を何度も指を走らせる必要があり、これは従来の感圧式とは全く異る操作である。
これが使ひにくいかといふと別にそんなことはないけれども、感圧的トラックポイントに馴染んだ人には少々受容れ難い変更なのではないだらうか。光学式でも感圧的と同様の動作をする様にドライバ側で対応することも不可能ではない気がするんだけどね。どうだらう。