大和但馬屋日記

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処女走行

F1新規参入組のひとつ、ヴァージンレーシングのまさに処女作VR-01。ヴァージンとは勿論、コーラ販売から航空宇宙事業まで扱ふ謎の多国籍企業、あのヴァージングループのこと。なんかシャフトエンタープライズ的な不気味さがあるよね。同グループがF1に乗り込んできたのは、たぶんレッドブルへの対抗意識なんぢやないかなと勝手に思つてゐる。
VRはもちろんVirgin Racingの略なんだらうが、むしろVirtua Racingなのではないかと一部で言はれてゐる通りで、このニューマシンは風洞実験すら通さずにCFD(数値流体力学)の計算ソフトのみを頼りに設計されたのが話題になつてゐる。「そんなものが使ひ物になるのか」といふ懸念はもちろんあらうが、設計したのはベテランのニック・ワースだから、もちろんそんな単純な話でないことは重々承知だらう。今季はたぶんシーズンを通した「実戦テスト」といふ位置付けになるはずだ。
今はとにかく、ニック・ワースの美的感覚をそのまま具現化した純粋な「をとめ」の姿を心ゆくまで愛でるが良からう。格好ええわあ〜。
これから世間の風に晒されて、あんなところやこんなところに手が加へられていくのかと思ふとドキドキするよね。キャー。

ニック・ワースといへば代表作は何と言つてもシムテックS941だと思ふ。1994年シーズンのF1マシンの中で最も美しかつた。そして、最も悲劇的なマシンでもあつた。
VR-01には、哀しみとは無縁の美しさを後世に残して欲しいと願ふ。