大和但馬屋日記

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昨日の続き


眼窩に後退角をつけて、さらに眉のラインから奥まつた感じにして陰が出る様にしてみた。いろいろバランスが崩れてしまつたな。形としては昨日の版の方が好みだ。
本気でアイマス顔の再現をしようと思つたら、ポリゴンの割り方を一からやり直さないと駄目。人間の顔としての立体的な整合性よりも、どの様に陰が出るかを第一に考へたラインを引かなくてはならない。
ポリゴンモデリングにも「タッチ」の違ひが求められる時代なのだなあ。リアルか否かとか、作りこんでゐるか否かといふのとは全く別の次元で。むしろ、普通のシェーディングならばそれほど気にしなくても良かつたこと。

アイドルマスター」アーケード版の制作告知PV、アーケード稼動時のPV、そして360版の予告PV。
アーケード版はPS2ベースの拡張システムで作られてゐて、もちろん後の360版に比べればポリゴン数やテクスチャ解像度の制約による出来の違ひは顕著だけれど、それよりもモデリングの方向性自体が全く異なる気がした。
アーケード版はキャラデザイナーである窪岡俊之の、ちよつとアクの強い絵柄を可能な限りそのまま3D化しようとしたのだらう。360版は窪岡の絵から離れ、徹底的に「脱臭」したニュートラルな絵柄を作らうとしてゐる。
http://www.idolmaster.jp/archive/idol/intro.htmこのモデルをただ精細に作り直しただけではhttp://www.idolmaster.jp/character/index.htmlの様にはならないといふことなんだな。さういふ意味で、今でもアーケード版に根強いファンが居るのもよく分る。でも、アーケード版の造形に360版のトゥーンシェーディングを施すとたぶんコテコテに濃い陰影ができて、くどい顔になつてしまふに違ひない。製作段階でそれを試してゐない訣がないから、今見る様な造形に行き着いたのだと想像する。
もうひとつ、360版の「アイマス」キャラに普通のシェーディングを施してみたら、普通につまらないCGキャラにしか見えないんぢやないかな、と。

  • 2008年06月21日 kanose 3DCG