大和但馬屋日記

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量的制限があるハードウェア上での仕様の取捨選択

yms-zun2007-04-15

nフロア分のマップデータと最大十六人分のキャラクタステータス、多数のアイテム類と遭遇した敵のデータ、イベントフラグその他のセーブデータをバックアップ含めて二つ保持するのに一杯一杯なゲームが仕様を取違へてゐるのだとしたら、ではどうすれば正しい仕様、つまり「最低二人分のデータをセーブできる」仕様になるだらうか。
まづ考へられるのはバックアップデータの保持をやめてセーブファイルを二つともプレイヤーに解放することである。
その場合の最大のリスクは「セーブ中にDS本体の電源が切れてデータが破損すること」だらう。そのリスクの具体的な大きさは分らないが、ファミコン版「ドラクエIII」のあの恐怖が今の時代でも許されるといふのなら、それはアリかもしれない。但し、もし自分のデータが損はれて大事なパーティが灰になつた時に同じ様に考へられるかといふと、ワシには自信がない。
バッテリー駆動の携帯機であることを考慮してどうしてもバックアップが必要だとすると、二人分のデータを保存するにはファイルを四つ保持することになる。カートリッジ内のフラッシュメモリのハード的上限がある以上、データサイズを半分に節約しなくてはならない。当然圧縮されたデータだらうから、それを半分にしようとすると元データの削減量は半分で済まない可能性もあるがここは分り易く半分といふことにしよう。
ではフロア数を今の半分とするかフロアの広さを半分とするか、マップのチップの種類を減らしてメモも取れなくするか。作成できるキャラ数も八人までとしてパーティも四人程度にし、アイテムや敵の図鑑は廃止してしまはう。イベントも減らすか無くすか。
さて、さうして出来たゲームが「他の人に貸してまで勧めたいゲーム」に成り得るかなあと思ふと、それは分らないけれども、少なくともそれは我々の知つてゐる「世界樹の迷宮」とは違ふ何かであるとはいへる。今我々が遊んでゐるそれが、それであるが故に人に勧めたくなるのならば、セーブデータが一人分といふ仕様を「取違へ」と言つてしまふのは「ハード的に無理」と知つてのことならば「ぢやあどうすれば?」といふ話にしかならないと思ひますよ。究極的にはDSぢやなければ良かつた、としか言へなくなるし、でもDS以外で成立しないゲームなのだし。
要は「ゲームカートリッジとセーブデータが不可分である」といふファミコン的な仕様がネックなのであり、DSがさういふハードなのは仕方ないこと。ソフトメーカーが取り得る解決策としてはダウンロード機能でパーティ固定・セーブ不可の一フロア分だけの体験版を分けてあげられる様にするくらゐが関の山だと思ふ。量的にそれすら可能なレベルに収まるかどうかは分らないけれど。
といふかですね、据置きゲーム機用のメモリカードだつて三千円前後する訣ですよ。実売価格でそれにもう千円も足せば布教用のソフトがもう一本買へるのであつて、それくらゐはしてもいいんぢやないかといふのがDS用ソフトの価格帯なのではないでせうかといふのが偽らざる気持ちだつたり。私が「バンブラ」でさうしてゐる様に。
君は二本目のソフトを遊ばせたい相手に貸してもいいしあげてもいい。