大和但馬屋日記

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場面転換時の黒フェードアウトは

yms-zun2006-09-04

映像的意味付けとしては「次のシーンとは時間(と空間)が断ち切れてゐますよ」であり、連続したカットでないならばそれを使ふこと自体は間違ひではないのだけど、同時に「前のカットに余韻を持たせる」といふ効果もあつて、その効果に頼る余りに多用するとまづ間違ひなく素人臭い映像になります*1。例へるならばやたら三点リーダ(しかも中黒三つ)を多用する素人小説みたいなものと言へるでせう。
一つの作品の中で何度もこれを使ふと当然ブツ切れな印象を観る者に与へることでせう。古い米国産のテレビドラマにさういふのが多いイメージがあります。「ナイトライダー」とか「刑事なんとか」の本筋が終つてから番組が終るまでの数分間、みたいな。
まあ、そんな「隠れた効果」が「やけに多いな」と観客の意識にまで残る様ならば、ちと編集が酷いのではないかと想像できます。場面転換が多い映画なら、時間経過の表現の仕方を勝負どころにしないと。実際どうかは分りませんが。

フェードアウトじゃなくて、暗転なんですわ、これが。画面輝度をグラフにしたら、 ̄|_| ̄ こんな感じ。擬音をあてれば「ブチッ」って感じ。フェードアウトなら画面輝度は、 ̄\_/ ̄って感じに推移すると思うけど、 ̄|_| ̄ では、ちょっとね。

なんと。それは本当に、ブツ切りにしたいとしか考へられませんなあ。たぶん意図としては黒フェードの場面転換効果だけが欲しくて、余韻は要らないといふことなんでせうかね。観てみないことにはなんともいへませんが、それを確かめるために観るといふのもなあ。
自分で試してみよう。

*1:CMとかPVではまた別の意味があるといふか、ともすれば意味自体がなくなるけれども、ストーリー物としての意味付けは動かし難い