大和但馬屋日記

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いや本当に偶然なんだけどさ

灼眼のシャナ(高橋弥七郎, 電撃文庫) - 大和但馬屋読書日記 - bookグループ

灼眼のシャナ (電撃文庫)

灼眼のシャナ (電撃文庫)

誓つていふがアニメを観て読み始めたわけではない、といふのはタイミング的に空しすぎるか。近々アニメ化されるとは知つてゐたが、購入して読み終へた週にアニメの放映が始まるとは思はなかつた。観てないけど。とりあへず小説の方を楽しみたいのでアニメは最後まで観ないつもりだ。
全体的に質の高い予定調和で事が進む。文章に力があるので読んでゐて淀みがない。先の展開まで読めてしまひさうな錯覚に陥るが、現時点で十巻を超える冊数が出てゐるのだからそれなりに紆余曲折はあるのだらう。それを見届けようといふ気にはさせてくれる第一巻だつた。
ところで、脇役の人物名はどれも首相の捩りなんだな。あと、「坂井」と「平井」で対比させてゐるのは気付いたがどういふ意味かまでは分らない。といふか主人公の名前からはゴジラ模型の造形家を思ひ出してしまふな。

灼眼のシャナII(高橋弥七郎, 電撃文庫) - 大和但馬屋読書日記 - bookグループ

灼眼のシャナ〈2〉 (電撃文庫)

灼眼のシャナ〈2〉 (電撃文庫)

二冊目。
脇役である主人公の友人達を事件に巻込む話だが、その核心との距離の取り方が絶妙だと思つた。これが安易な物語であれば、巻込むだけ巻込んでおいて最後に記憶操作で忘れさせるなんてことになり兼ねない。とはいへ、よく考へてみれば「トーチ」といふ設定自体がそれにあたるので、あまり手放しに褒められる訣でもないのだが。ともあれ今後、主人公の「正体バレ」も物語のイベントに組入れられるのだらうと予想。
相変らずの確かな描写で、敵味方問はず登場人物が魅力的に描かれてゐるのがいい。