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神様ゲーム カミハダレニイノルベキ(宮崎柊羽,角川スニーカー文庫) - 大和但馬屋読書日記 - bookグループ

神様ゲーム カミハダレニイノルベキ (角川スニーカー文庫)

神様ゲーム カミハダレニイノルベキ (角川スニーカー文庫)

この手の「神様コメディ」を読むたびに一体その「神様」てのはなんやねんといふ疑念が付きまとふ。
この作品の場合、「創造主的な神様」と「地祇的な神様」の二種類が登場するが、そのことにあまり意味があるやうには思へなかつた。作品に奇妙な二重構造がある割に、それが上手く働いてゐなくて単に流れをややこしくしただけのやうな。尚、表題の「神様ゲーム」を仕掛けたのは前者の「神」で、表紙イラストに描かれてゐるのは後者の「祇」の方。妙にえちい絵だが、内容とはほとんど関係がない。
神様云々はさておいて、個々のエピソードは「自分探し」系。それぞれがそれぞれに自分探しをしてゐて、それぞれ勝手に癒されておしまひ。最後は主人公も「神様」も癒されて万万歳。「ゲーム」が解明かされる過程を楽しみに読めるものではなかつた。そこが残念。
キャラ的は羽黒が鈴木真仁的に良かつたのだけど如何にも取つて付けた様な位置付けでしかなく、あとがきにある「当初居なかつたキャラ」は絶対にこいつだと思つた。設定といふか、背負つてるものとキャラ造形が全然釣合つてない。でもそこがいい。といふか、全般的にキャラの描き方が上手いのだな。上手いといふか、ヘタウマ?