■ [GP][2004][italy]第15戦イタリアGP決勝(9/12)53周 (晴/ドライ)
スターティンググリッド。
夜から午前中に降った雨のためにウェットパッチが路面に残る状態で迎えた決勝。タイヤの選択が悩みどころだが、映像に映ったミシュランはドライ。そしてウォーマーを外したバリチェッロはなんとウェット。なるほど、ショートスティントなら分る話だ。マイケルはドライ。BS勢は他にマッサとブルーニがウェット、ミシュランもクルサードのみウェットを選んだ。
バウムガルトナーは予選のペナルティで一秒加算、最後尾グリッドに。そしてハイドフェルトがピットスタートとなった。
フォーメーションラップを終えてクルサードもピットへ。やはりドライに換えるのか。
スタート、アロンソがいつも通りのロケットスタートで二番手に。シケインの進入は全車ほぼ徐行になったがマイケルがショートカットしてしまう。マイケルはこれで後ろの二台に道を譲った。続くロッジアシケインでタクもショートカット、この煽りを受けたのかどうか、何とマイケルがスピン。パニスもコースアウトして、彼は最初のリタイアとなった。四周目の順位。ぐちゃぐちゃ。
マッサの順位変動がすごい。
いきなり大差でリードしたバリチェッロだが、すぐにアロンソとのタイム差が秒単位で縮まり始め、五周目にあっさり抜かれた。マッサもウェットタイヤで手にした順位をウェットタイヤで失い、慌ててタイヤ交換を終えてみれば最後尾。ウェット選択は完全に作戦失敗。バリチェッロも九番手だ。九周目の順位。
マッサはハイドフェルトと接触してウィングを壊し、またピットへ。天国から地獄。
十一周目、先頭のアロンソがピットイン。十二周目、マイケルがここまでのファステストを出してバリチェッロをパス。九番手に浮上。アロンソは七番手でコース復帰。ウェバー、トゥルーリがピットイン。
十四周目、モントヤ・タク・ライコネンがピットイン。しかしライコネン動かない。ガレージ行きか? やはりリタイアとなった。
十五周目、先頭のバトンがピットイン、そして首位キープのままコースに復帰。真後ろでマイケルがアロンソを抜き、息詰まる上位三台の隊列となった。しかしマイケルは次の周でピットイン。十一番手でコース復帰。トップから十五番手までタイムが接近しているから、ピットの一秒が命取りになる。十九周目の順位。
二十周目、フィジケラがピットイン。ウェバーとマイケルがバトルしているが、ウェバーが頑張りすぎてシケインショートカット。観念してスロットルを緩めた。二十三周目、ピッツォニアがウェバーを抜いて八番手に。
先頭バトンから四番手バリチェッロまでが四秒、タクもそこから四秒落ち。何がどうなるかわからない、というかバトンのペースが明らかに悪い。バリチェッロはモントヤに襲いかかろうとして姿勢を乱す。トップ争いが熱いぞ。タクも先頭から八秒以内に入ってきた。面白えー。
二十七周目、クルサードがピットイン。スタート時に燃料を入れたので事実上の一回ストップ。どこまで順位を盛返してくるか。
バトン、アロンソ、モントヤが二秒以内に接近。バリチェッロ、タクまでも七秒以内。その後ろからマイケルがファステストラップで迫る、タクとの差は十五秒。三十周目、バリチェッロが二度目のピットイン。給油時間が短いぞ、三回ストップか?
三十二周目、ピット作業を行っていたブルーニのマシンが炎上! ものすごい炎が上がったがすぐに消し止められた。ブルーニは無事だが当然マシンを降りてリタイア。十年前のフェルスタッペンを思い出す。
三十四周目、二、三、四番手のアロンソ、モントヤ、タクが同時にピットイン。三台の順位はそのままに五、六、七番手で復帰。そして次の周にバトンがピットイン、アロンソ以下が遅い車に引掛ったおかげで前をキープしたまま復帰できた。見かけ上はフェラーリが1-2、三十六周目、マイケルがピットイン。琢磨と並んでコースイン、シケインでタクが前に出るが、脱出でしてやられてマイケルが四番手に。くうっ。同じ周、パンターノが単独クラッシュ、リタイア。四十周目の順位。
フェラーリ勢だけが二十一秒台のタイムを叩き出している。軽いであろうバリチェッロはともかく、マイケルの速さは驚くに値する。後ろに迫られたアロンソはたまらずスピン、砂にはまってリタイア! オレは普段この言葉を使わないことにしているが、言わせてもらおう、やはり帝王だ。
四十三周目、バリチェッロが三度目のピットイン。凄まじい作業の早さで何とトップを維持したままコースイン。その後方では帝王がバトンを仕止め、ついにフェラーリが実質の1-2体制を築いた。凄い、凄いよ。つか有り得ねえ。四十六周目の順位。
ペースは明らかにマイケルの方が速いが、今のところは二番手に控えている状態。最後まで何をやらかすか分らない連中だけども、さて。
二十三秒台のパレード。何でこんなにゆっくりに見えるんだ。同じペースでバトンと琢磨が追う。
残り二周、ピッツォニアがクルサードに追突。幸い両者無事だったが、今日のピッツォニアはシケインのミスが多すぎ。マシンの元の持ち主の癖が伝染ったんかと。
バリチェッロがタイヤの選択ミスを克服して今季初優勝。マイケルが二位でフェラーリ1-2、バトンと琢磨でBARが3-4、モントヤ、クルサード、ピッツォニア、フィジケラまでが入賞。完走十五台、ルノーがノーポイントに終ってBARがコンストラクターズランキングで二位に浮上した。
チョイ濡れに強いバリチェッロが今回も優勝。今季も残りはわずか三戦、次はF1初開催となる中国GPだ。フェラーリは散水車を用意すればいいかもしれない。
2004年第15戦 イタリアGP決勝結果
順位 | ドライバー | チーム | タイヤ | タイム/周回 |
---|---|---|---|---|
1 | R・バリチェッロ | フェラーリ | BS | 1:15'18.448 |
2 | M・シューマッハー | フェラーリ | BS | +0'01.347 |
3 | J・バトン | BAR・ホンダ | Mi | +0'10.197 |
4 | 佐藤琢磨 | BAR・ホンダ | Mi | +0'15.370 |
5 | J・P・モントヤ | ウィリアムズ・BMW | Mi | +0'32.352 |
6 | D・クルサード | マクラーレン・メルセデス | Mi | +0'33.439 |
7 | A・ピッツォニア | ウィリアムズ・BMW | Mi | +0'33.752 |
8 | G・フィジケラ | ザウバー・ペトロナス | BS | +0'35.431 |
9 | M・ウェバー | ジャガー・コスワース | Mi | +0'56.761 |
10 | J・トゥルーリ | ルノー | Mi | +1'06.316 |
11 | R・ゾンタ | トヨタ | Mi | +1'22.531 |
12 | F・マッサ | ザウバー・ペトロナス | BS | +1LAP |
13 | C・クリエン | ジャガー・コスワース | Mi | +1LAP |
14 | N・ハイドフェルト | ジョーダン・フォード | BS | +1LAP |
15 | Z・バウムガルトナー | ミナルディ・コスワース | BS | +3LAPS |
R | F・アロンソ | ルノー | Mi | 40LAPS |
R | G・パンターノ | ジョーダン・フォード | BS | 33LAPS |
R | G・ブルーニ | ミナルディ・コスワース | BS | 29LAPS |
R | K・ライコネン | マクラーレン・メルセデス | Mi | 13LAPS |
R | O・パニス | トヨタ | Mi | 0LAP |