大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

猫と煙

さて、昨日の続きである。まづ、昨日一つだけ悪戯したことを白状しておかう。最後の写真、これは展望室から撮つた本物の風景である。気付いた方がをられるかどうか。
本当の模型の写真。光量の足りない所なので手振れが出たが勘弁してほしい。全景写真。山手線の内側、新目白通りから南半分が完全に再現されてゐる。さう、メイクアップによる完成済1/43フェラーリ312T2くらゐ完全にだ。眺めてゐると、眩暈すら覚えてくる。
何と言へばいいのか、オレはかういふことは人智には不可能だと思つてゐた。一軒一軒の建物を精緻に作ることはできるだらう。区画単位の立体地図くらゐ、わけはないだらう。それらしく目立つ建物を配し、適当に木を植ゑた地形モデルならそこらの博物館にゴロゴロしてゐる。しかし、これはさういつたレベルのものではない。何と言へばいいのか。リアルといふ言葉が嘘臭く響く程のマクロとミクロの連続性が、怖さすら覚えさせる。
いつか、これと同じ規模と精度のモデルがゲーム機に載る様になつて、「電車でGO!!」と「東京都バス案内」と「ランナバウト」と「レスキューヘリエアレンジャー」と「地球防衛軍」と「シェンムー」がシームレスに繋がるゲームが遊べたりする様になるのだらうか。オレは、さういふので遊びたい。

東京シアター

東京静脈

押井守監修による映画。日本橋川を遡つて神田川に合流、隅田川に出るまでを静かに撮つた三面マルチ映像作品。御茶ノ水駅の中央線快速が動き出して丸の内線がフレームインするタイミングとか、行き違ふゴミ処理船やモーターボートとか、「如何にも」といふセンスでまとめられてゐる。

東京スキャナー

同じく押井守監修、ハイビジョンを駆使した空撮映像。マクロとミクロの連続性といふ点で東京の模型に通ずるものがあつた。どうやつて撮つたんだ? と思ふ様なカットも多々あり。DVDとか出ないものか。

メイキング・オブ・六本木ヒルズ

ここまでのすべては、これを見せるために為された展示だと言へるのだらう。何故六本木ヒルズが建てられなければならなかつたを説明するコーナー。それはプレゼンテーションといふよりも、もしかしたらエクスキューズなのかもしれない。しかし、六本木ヒルズに呑み込まれた旧六本木六丁目地区の街並みを残した映像や、同地区の1953年・1999年・2003年を再現した模型を眺めてゐると、何が森ビルを駆り立てたのかを考へる端緒にはなつたと思ふ。少なくとも、それだけの何かがなければここまでの事業を果せはすまい。その是非を断じる見識はないけれど。


そんなこんなで、五、六時間は歩き回つて大層疲れたが、充実した一日だつた。