大和但馬屋日記

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隅田のハチロク

ミニSL8620形

ハチロクと言へば8620形蒸機に決まつてゐるぢやないか。
花見で賑はふ隅田川公園で、「ぴょー」と長閑な音がした。見ると「ミニSL実演中」。どうせ電気で動くまがひ物だらうとたかを括つてゐたら、本格的なドラフト音が迫つて来た。見ると本当に蒸気で走つてゐる。ちやんと石炭を窯にくべて、湯を沸かして蒸気を生じ、前部のシリンダーを動かしてロッドを介して動輪を回す。パーフェクトだ。
機能一辺倒でなく、造形もすばらしい。見ての通り、細部まで忠実にハチロクを再現してゐる‥‥と言へるほどオリジナルをよく知るわけではないが、これが忠実でないわけがあらうかと思はせるだけの説得力がある。子供たちの乗る三輌の客車の台車にまで、ディテールは行き届いてゐた。2編成を振り分けるための転轍機もダルマポイントを模してゐる。
SL世代ぢやないけれど、SLを愛した人が多い理由がよくわかつた気がする。