大和但馬屋日記

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種を守れ?

ファースト世代からのガンダムSEED擁護論
我が身に照らせばそもそも子供が話なんか見ちやゐないのは確かだし、メカが出てくりや何でもいいものだ。そのあたり、事実の指摘としては間違つてないのだらう。しかし、だからといつてそれは作品が面白くなくてよいことを意味しない。過去と訣別しようが何をしようが勝手だが、アニメを作る以上最低限の衿持といふものがあるだらう。
単発エピソードの寄せ集めだらうが商品企画ありきだらうが面白く仕上がつてゐる作品は幾らでもある。そんな状況下でただ出来が悪いだけと感じる作品を「出来が悪い」と評して何の不都合があらうか。それに対して「別に面白くなくともよい、誰もそんなものを求めちやゐない」などとは、論点をずらしてゐるだけで擁護にすらなつてゐない。マーケティングの成否を認めることとアニメの出来の良し悪しを語ることに関係などないのだが、筆者はそれを意図的に混同してゐる。
この論の意図はあるターゲットを小馬鹿にしたいだけなのだらう。切り捨てられたターゲット層による作品批判が無駄ならば、同じ層による擁護も無駄だらうに。

追記

この種の「オタク世代論」に反発が出るのは当然のこと。大まかな時代毎のムーブメントを理解する補助にしか本来なり得ないものを、目の前の現実の「原因」としてしまふから無理がある。因果関係といふものはさう簡単に一対一で対応するものぢやない。