大和但馬屋日記

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yms-zun2010-07-05

2chに貼られてゐた画像を勝手に転載。

左からアーケード版・360無印・360「2」のキャラモデリングの変遷。一人変なのが居るけど、その枠はアーケードに居なかつた人の分。
一昨年に書いたことから話を続けるならば、さらに「窪岡俊之の絵」からは遠のいてきたなといふ印象が強く残る。もはやアホ毛が浮いて見えるほど髪の表現がナチュラルになり*1、全体に目が大きくなつた。CG的には質感表現がリッチになり、輪郭線にはペンタッチの如き強弱までついてゐるやうに見える。キャラの個性は保たれつつも、初代アーケードの頃と比べると内面から変つてゐるのではないかとすら思へるキャラも居る。といふか、それはたぶん話が逆で、培はれてきた内面描写にキャラクターデザインの方が近づけられたのだらう。
かうして並べてアーケード版の絵が固く見えるのは、もちろんハードウェアの性能に因るところが大きいけれども、創作物としてみた場合の「一発モノのアーケードゲーム」故の固さといふのがある様にも感じる。あるいは、「連載の長く続いた漫画の初期の絵柄」とも。まだ作者自身がキャラを描き慣れてゐなかつたり、方向性が定まつてゐないころの絵。
360版になつて、ハードウェアの進化に併せて絵が整つて、デザイン要素をそのままに高品位に作り直し、デザイナーの手癖を抜いた。「2」になつては、デザインに大幅な変更を加へたキャラは勿論、デザイン的に全く変つてゐない様に見えるキャラにおいても、一度再解釈を行つた様にみえる。それは春香の造形において顕著だ。実は従来と一番違つて見えるのは春香ではないかとさへ思ふ。やよいと雪歩は逆に、「見た目の印象を一切変へないこと」が造形のテーマであるに違ひない。あからさまに髪型が変つてゐる組についてはおそらくシナリオ上の必然性があつてさうなつてゐるのだらうから、今はあへて言及することもなからう。
なんてことを色々考へてしまふ良い素材なので、こんな風に使はせていただいた。どこの誰かは知らないけれども有難う。

*1:といふか美希のアホ毛はどこから生えてるのか分らないほど不自然