大和但馬屋日記

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フェルナンド・アロンソへ

まあ、自分はアロンソにはずつと否定的な態度だつた。でも、何度も書いてるけど、コース上でバトルをしてゐる時のアロンソだけは本當に本當に素晴しくて、そこは常に賞讃してきたつもりだ。いつぞやのセパンで、サンウェイラグーンの立上りの位置取りから最終ヘアピンを經て第二コーナーで先行車を拔き去つた技倆には心から痺れた。相手は三つ前のコーナーで動きを縳られて、あそこで拔かれるしかなくなつてゐたのだ。これができるのは當代ではアロンソだけだつた。當代どころか、おそらくセナやプロストやピケやシューマッハーやハミルトンでもそこまでではない。べッテルやマンセルにはそもそもできない。DRSありきの現代ではもう目にすることもさうさうない、そんな稀有な才能だつた。

そんなコース上の優れた才能を臺無しにして餘りあるあれやこれやが俺の氣持ちはさて措いても本人のキャリアそのものを惡くしてしまつたのだらう。最初のボスがもう少し「好い人」だつたら多少は違つてたのかな。

ともあれ、アディオス。