大和但馬屋日記

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ニンテンドーファミコンオンライン

Nintendo Switchで、ニンデンドーオンライン有料登録者に提供されるファミコンの復刻ソフトが好きなだけ遊べる新サービス。當時のソフトのパッケージデザインがずらつと表示されてゐて、どれを選んでもロード時間なしにすぐタイトル畫面になるのはファミコンぽくて良い。「マリオブラザーズ」を遊んでみたらやはりアケアカ版より遥かに遊び易く感じた。横方向のジャンプ性能が高く、床を叩いた際の攻撃判定も甘いのがさう感じる理由か。

その他ラインナップをボーッと眺めて思つたのは「あー、クルクルランドがないなー」。ふあみこん昔話。一九八四年後半のこと、ファミコンのソフトのラインナップの雰圍氣がそれまでと少し變つた。値段が少し高くなつて、カートリッジのラべルがそれまでのライングラフィックのシンプルなデザインからパッケージと同じイラストが入つたものとなり、ファミコン本體のコントローラーが四角から丸ボタンに變つたのと同じ頃。任天堂はアーケードにVS.システムを投入し、それまでのオリジナルタイトル路線をやめ、ファミコンと共通のタイトルを供給し始めた。

アーケードのVS.システムの特徴は二人並んで一つの畫面で遊べることで、これは當時主流の對面式のテーブル筐體の中にあつて一番の賣り要素とされた。然るに、このタイミングで「二人同時プレイ可能なアクションゲーム」が戦略的にリリースされる樣になり、それがほぼそのままファミコンにリリースされた。勿論この流れは初期の「マリオブラザーズ」に端を發するものであるが、やや遅れてこの時期に集中的にリリースされた一群が一種獨特の雰圍氣を放つてゐたのである。特に「バルーンファイト」「アイスクライマー」「クルクルランド」は其々が他に類を見ない操作性と二人プレイならではのゲーム性を獲得してゐたことも手傳つて、「ファミコンはどうやら思つてゐたよりも遥かに面白いぞ」と思ふに至つた。個人的にこれらは「スーパーマリオ」登場前のファミコンの一つの劃期となつた傑作群と位置付けてゐる。なので、その中の一つである「クルクルランド」がない、といふのは白分にとつては結構なインパクトなのである。まあ、いづれ追加されるのではあらうが。

それら傑作群の少し前に同樣の體裁でリリースされて、何故かあまり顧みられることのない不憫な「デビルワールド」のことも偲びつつ。