大和但馬屋日記

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地を這ふ蟲にも道理がある

それでも新幹線が使われる理由 - Togetter

新幹線と較べて飛行機がいいつていふ人の價値觀は敬遠するといふ意味の迂遠な言ひ換へ程度には「尊重する」けれども、それが「あんたらまだ新幹線なんかに乘つてんの?」といふ下賤なマウントになるなら話は別だ。

飛行機は點と點を直接結ぶ乘物で、鐵道は道中を線で繋ぐ乘物である。飛行機は乘合であつても起點から終點までの席を借り切つて乘るもので、道中の自由はない。鐵道は席を確保する手段はあっても、基本的には目の前に來た列車に乘つて好きな處で降りてよい。その線上のどこかが出發地にも目的地にもなり得る。その累積による路線全體のキャパシティたるや、とても飛行機で全て賄へるものでもない。飛行機派の人が値引を享受し、快適さを喧傳するのも結構だが、それに釣られて我も我もと新幹線利用者が飛行機に雪崩込んだらどうなるか。あつといふ間に豫約はパンクし、チケットは高騰し、望む日に望む席を確保することは困難になり、餘裕振つてゐる人も文句埀ら埀らとなるに違ひあるまい。まあ、そんな日が來るとも思へぬが。

安いチケットの爲にやたら早起きを強ひられたり、何箇月も前から豫定を繰合せて行動を縛られた擧句に何千圓かと數十分の時間を浮かせるのと、列車に飛乘るその直前まで自由に時間を使へることと、どちらが得してゐるのかも判らない。それは本當に時間を有效に使へてゐるのかしらね。