大和但馬屋日記

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リリース前は「ブービーキッズ」だつた

「コ一ド・オブ・プリンセス」は一周したら一氣にやることがなくなつた。

入替りに始めたNintendo Switch用「アーケードアーカイブス キッドのホレホレ大作戦」。一九八六年の「アルカノイド」のヒットに端を發して、一九八一年頃以前の黎明期のビデオゲームのリメイク作が各社から爆發的にリリースされた。正確にはその端緖は前年の「リターンオブザインベーダー」だと思はれるが、これはそこまでヒットはしなかつたので、「アルカノイド」が事實上のブームの火付役と言つて良いと思ふ。このリメイクブームの特徴として、不思議なことに「自社の古いタイトルのセルフリメイク」でない例が多く見受けられる。「アルカノイド(タイトー)」の原作「ブレイクアウト(所謂ブロック崩し)」はタイトーではなくアタリのゲームだ。「キッドのホレホレ大作戰」もそんな中の一つで、元ネタの「平安京エイリアン(電氣音響)」を日本物産がリメイクしたものである。

當時のリメイク物のセオリーに則り、ビジュアルとサウンドの強化と共にアイテムによるパワーアップの概念をふんだんに盛込んで來た。「平安京エイリアン」との最大の違ひはおそらく、一度敵を埋めて殺した場所には十字架が立ち、そこには二度と穴を掘ることができなくなること。これにより陰險掘りなどの消極的なプレイが許されなくなつた。一方、「自分で掘つた穴に落ちるとミス」といふ要素も加はり、雑にプレイすることも許されなくなつた。總じて、このゲーム獨特の操作感を體得するまでは相當に難しいといふ印象だ。しかしこれ、面白いのだ。

當時は出囘りがあまり良くなくて、面白さを理解する間もなく消えたのが惜しまれる。今となっては何といふか、「ゲームで遊んだ」といふ充實感を得られるいいゲームだ。